2013/03/10
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>新語旧語(5)スネップ&雇い止め
新しいことを覚えてもすぐ忘れてしまう脳となって久しく、書き留めておかないと同じことを何度も娘に尋ねて、「それ、昨日も聞かれて答えた!」なんて叱られます。私が娘にきくのは、お笑いタレントやアイドルイケメンの名とかですが。
最近覚えた新片仮名語、スネップ。アントニオさんのブログ訪問して教わりました。スマップなら知っていたけれど。
2012年の半ば頃から提唱してきた造語というから、できたてほやほやと言っていいでしょう。造語作成者は、玄田有史(労働経済学・東大教授)らで、「Solitary Non-Employed Persons」(孤立無業者)の頭文字をとってSNEPなんですって。
定義は、「20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚者。就業していない。家族以外の人と2日連続で接していない人々」
2012年の日本社会に、すでに100万人いて、ますます増殖中。ひとしきりニートが話題になりましたが、厚生労働省の定義では、15〜34歳の年齢層の非労働力人口の中から学生と専業主婦を除き、求職活動に至っていない者=若年無業者。
労働環境は、ますます弱者に厳しい状態で、大手企業には「追い出し部屋」という労働者を自主退職に追い込むための部署が公然とできていて、「キャリア支援センター」とか、「事業開発部」などという名になっているのだそうです。どんな事業を開発するのかというと「自分自身の再就職先をさがす」という事業だって。上司と折り合いが悪い人なんかだと、優秀な成績をあげた翌年には追い出し部屋へ転籍、なんてこともあるそうで、定職を得たからと言って安心はできないという時代になったみたいです。
定職正社員の内定を得られない大学生の比率は、2011年度卒業生で68%だったけれど、それは見かけの比率で、最初から就活をあきらめてバイトを続けることにした学生などは含まれていない。実質50%くらいの内定率だろうと思います。「大学は出たけれど」という戦前の映画がありましたが、生き甲斐を持って働ける場を提供できない社会を作ってしまったのは、私たち世代の責任だろうと思います。
3月1日にテレビのニュースを見ていたら、契約労働者の話題が出ていました。総務省の労働力調査によると、「正社員」にあたる「無期雇用者」は3712万人だったのに対して、契約期間が定められた「有期」の雇用者は1410万人で、雇用者全体のおよそ4人に1人が期間の限られた仕事に就いていることが分かったと報道していました。
「有期」の雇用者の内訳は、契約期間が1年を超える人が885万人、1か月以上1年以下の「臨時雇」が439万人、▽1か月未満の「日雇」が86万人となっています。
動労契約法が2012年夏に変わり、2013年4月から施行されます。有期雇用契約労働者を5年を超えて雇う場合、本人の希望により無期雇用(つまり正社員)への転換を企業に義務付けるという法改正です。一見、正規雇用への転換を図るかのような法改正なのですが、実際に適用された場合、契約年数が満5年になる前に雇い止めを受けて解雇される契約労働者が増えるのではないかと懸念されます。
もちろん、「法を改正した」と言う側は、「労働者保護のための法律だ。企業が契約社員を簡単に切ることができないハードルを設けてある」と説明しています。しかし、人を安く使い倒そうとしか考えていない企業であるなら、うまいすり抜け方法を考え出すにきまっています。たとえば、同じ業務に対して人を変えて新しく雇うことができない、という法をかいくぐる方法は、いくらでもあり、文面上で業務を変えるのはどうにでもできます。
社会が不安定になり、人々に不安感が蔓延する社会となった場合、「自分だけは不自由していないし、安定した暮らしを営んでいける」と、安心してはいられないんだよ、とお金持ちに言ってやらねば。
社会が不安定になれば、いつどこで何が暴発しても不思議はなくなる。金持ちだから安全で安定した暮らしが続く、とは限らない。と、脅しておきたい。みなが安心して暮らせる社会を目指さないでいることのツケは、いつか自分のクビを締めることになるよ。
いかに人減らしをしていかに人件費を安上がりにして会社が儲かるようにするか、ということばかり追求してきた現代社会に所属してきて、電気が足りなくなったらみんな困るでしょう、困らないためにはどんどん電気を作ってどんどん消費しましょう、という社会をみなで容認してきました。
原発の後片付けが済んでいないのに、「社会の景気をよくするために必要」というかけ声がかかれば、国民は「再稼働」をぶち上げる政権を選ぶことがわかった。
ほら、株価が上がったじゃないか、と、次は「普通に戦争できる普通の国」にしたい人が、武器輸出を容認する。
景気がよくなると言っても、一部の金持ちがますます儲かるだけで、底辺にいる私の暮らしはさっぱりよくはならない。
「もっと景気をよくしてもっと儲けるためには、原発も武器輸にも農業を破壊するTPPにも賛成しなければならない」のだとしたら、私は今より貧しい暮らしになるとしても耐えられるから、一部の金持ちが儲かるだけの政策はやめてもらいたい、と叫びます。というか、ずっと貧乏なままだったから、たいして生活に変わりはないけれど、ますますジャンクフードのヤケ食いでもっと太るだろうとは思う。
アメリカでは低所得層ほどジャンクフードを食べてぶくぶくに太り、高収入者ほど健康に気を配った生活をしていてスリムボディを保っており、太った人というのは、貧乏人の証拠だそうですが。日本もそうなってきたみたい。
今日もジャンクフードをヤケ食いです。割れせんべい一袋とか、100円ショップのピーナッツチョコ一袋とか。
食べなきゃいいんですけれどね。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>新語旧語(5)スネップ&雇い止め
新しいことを覚えてもすぐ忘れてしまう脳となって久しく、書き留めておかないと同じことを何度も娘に尋ねて、「それ、昨日も聞かれて答えた!」なんて叱られます。私が娘にきくのは、お笑いタレントやアイドルイケメンの名とかですが。
最近覚えた新片仮名語、スネップ。アントニオさんのブログ訪問して教わりました。スマップなら知っていたけれど。
2012年の半ば頃から提唱してきた造語というから、できたてほやほやと言っていいでしょう。造語作成者は、玄田有史(労働経済学・東大教授)らで、「Solitary Non-Employed Persons」(孤立無業者)の頭文字をとってSNEPなんですって。
定義は、「20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚者。就業していない。家族以外の人と2日連続で接していない人々」
2012年の日本社会に、すでに100万人いて、ますます増殖中。ひとしきりニートが話題になりましたが、厚生労働省の定義では、15〜34歳の年齢層の非労働力人口の中から学生と専業主婦を除き、求職活動に至っていない者=若年無業者。
労働環境は、ますます弱者に厳しい状態で、大手企業には「追い出し部屋」という労働者を自主退職に追い込むための部署が公然とできていて、「キャリア支援センター」とか、「事業開発部」などという名になっているのだそうです。どんな事業を開発するのかというと「自分自身の再就職先をさがす」という事業だって。上司と折り合いが悪い人なんかだと、優秀な成績をあげた翌年には追い出し部屋へ転籍、なんてこともあるそうで、定職を得たからと言って安心はできないという時代になったみたいです。
定職正社員の内定を得られない大学生の比率は、2011年度卒業生で68%だったけれど、それは見かけの比率で、最初から就活をあきらめてバイトを続けることにした学生などは含まれていない。実質50%くらいの内定率だろうと思います。「大学は出たけれど」という戦前の映画がありましたが、生き甲斐を持って働ける場を提供できない社会を作ってしまったのは、私たち世代の責任だろうと思います。
3月1日にテレビのニュースを見ていたら、契約労働者の話題が出ていました。総務省の労働力調査によると、「正社員」にあたる「無期雇用者」は3712万人だったのに対して、契約期間が定められた「有期」の雇用者は1410万人で、雇用者全体のおよそ4人に1人が期間の限られた仕事に就いていることが分かったと報道していました。
「有期」の雇用者の内訳は、契約期間が1年を超える人が885万人、1か月以上1年以下の「臨時雇」が439万人、▽1か月未満の「日雇」が86万人となっています。
動労契約法が2012年夏に変わり、2013年4月から施行されます。有期雇用契約労働者を5年を超えて雇う場合、本人の希望により無期雇用(つまり正社員)への転換を企業に義務付けるという法改正です。一見、正規雇用への転換を図るかのような法改正なのですが、実際に適用された場合、契約年数が満5年になる前に雇い止めを受けて解雇される契約労働者が増えるのではないかと懸念されます。
もちろん、「法を改正した」と言う側は、「労働者保護のための法律だ。企業が契約社員を簡単に切ることができないハードルを設けてある」と説明しています。しかし、人を安く使い倒そうとしか考えていない企業であるなら、うまいすり抜け方法を考え出すにきまっています。たとえば、同じ業務に対して人を変えて新しく雇うことができない、という法をかいくぐる方法は、いくらでもあり、文面上で業務を変えるのはどうにでもできます。
社会が不安定になり、人々に不安感が蔓延する社会となった場合、「自分だけは不自由していないし、安定した暮らしを営んでいける」と、安心してはいられないんだよ、とお金持ちに言ってやらねば。
社会が不安定になれば、いつどこで何が暴発しても不思議はなくなる。金持ちだから安全で安定した暮らしが続く、とは限らない。と、脅しておきたい。みなが安心して暮らせる社会を目指さないでいることのツケは、いつか自分のクビを締めることになるよ。
いかに人減らしをしていかに人件費を安上がりにして会社が儲かるようにするか、ということばかり追求してきた現代社会に所属してきて、電気が足りなくなったらみんな困るでしょう、困らないためにはどんどん電気を作ってどんどん消費しましょう、という社会をみなで容認してきました。
原発の後片付けが済んでいないのに、「社会の景気をよくするために必要」というかけ声がかかれば、国民は「再稼働」をぶち上げる政権を選ぶことがわかった。
ほら、株価が上がったじゃないか、と、次は「普通に戦争できる普通の国」にしたい人が、武器輸出を容認する。
景気がよくなると言っても、一部の金持ちがますます儲かるだけで、底辺にいる私の暮らしはさっぱりよくはならない。
「もっと景気をよくしてもっと儲けるためには、原発も武器輸にも農業を破壊するTPPにも賛成しなければならない」のだとしたら、私は今より貧しい暮らしになるとしても耐えられるから、一部の金持ちが儲かるだけの政策はやめてもらいたい、と叫びます。というか、ずっと貧乏なままだったから、たいして生活に変わりはないけれど、ますますジャンクフードのヤケ食いでもっと太るだろうとは思う。
アメリカでは低所得層ほどジャンクフードを食べてぶくぶくに太り、高収入者ほど健康に気を配った生活をしていてスリムボディを保っており、太った人というのは、貧乏人の証拠だそうですが。日本もそうなってきたみたい。
今日もジャンクフードをヤケ食いです。割れせんべい一袋とか、100円ショップのピーナッツチョコ一袋とか。
食べなきゃいいんですけれどね。
<つづく>