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ぽかぽか春庭「2003年の夏5」

2013-07-18 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/07/18
ぽかぽか春庭・知恵の輪日記>2003年の夏(5)ポストフェミニズムの夏

 10年前の夏、つづき。
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2003/07/25 金 曇りのち雨 
日常茶飯事典>ポストフェミニズム トークショウ

 ビデオとSFJ3コマを終えて池袋へ。
 西武リブロへ行ったら、7時から小森陽一と竹村和子の対談講演会があるというので、聴講券千円払う。6時45分まで、本をながめたり、椅子に座って雑誌「本とコンピュータ」を読んだ。立ち読みじゃなくて座り読みできる本屋が好き。でも、45分の間に興味があるところはあらかた読んじゃったから、買わなかった。すみませんね、貧乏人で。

 8階コミュニティカレッジへ。客層は、堅そうなおばさんや、いかにも「お茶か駒場でゼミとってます」みたいな院生風か、どっちか。別にいいんだけどね。私だって「鏡開きもとうにすぎてカビが生えたモチのごとく堅そうな食えないおばさん」に見えているだろうから。

 しゃべりは、竹村が話し出すと、小森が横からつっこむという進行。竹村の新編著『「ポスト」フェミニズム』小森の新編著『研究する意味』の宣伝を兼ねたトークショウなのだが、なかなかおもしろかった。
 小森の「日本でもっともたくさん抗日戦争映画を見た少年」として育ったゆえ「抗日軍に取り囲まれ、銃で撃たれて蜂の巣にされる悪夢」を時々見るというトラウマが残った、という話。『小森陽一日本語に出会う』でもロシア語インターナショナルスクールのエピソードが出てくる。米原万里の父親は共産党幹部だったが、小森の父は何者?

 竹村の「『タイタニック』の巧妙なアンチフェミニズム」解釈。労働者階級のデカプリオとブルジョアのお嬢様ローズの恋。ローズが労働者階級に近づいていったようにみせて、その実、タイタニックの日々を回想するローズは、有産階級の自分の地位を少しも失っておらず、結局彼女はなにひとつ失うことなく変わることもなかった。という解釈。「主人公には変わってほしい」という私の趣味には一致する。

 現在の差別構造が「階層格差増大、貧困階層の再生産悪循環」に陥っているということへも言及されていたし、拡大家族、出入り自由の束縛なきゆるい結合家族、の可能性についても話が行ったところで、終わり。

 質問タイムで「昔のリブ闘志」みたいなおばさんが質問したら、小森はさかんに「次はもっと若い人に質問してもらおう」と、お茶駒場院生風が座っているあたりに顔を向ける。「若い人たちどうですか」と水を向けたが、応答なし。次に質問したのは「若くないので、質問しづらいのですが」とツッコミをいれた。「地方自治体男女参画事業推進課で働いています」みたいなおばさんだった。

 若い人たち、どう見回しても「貧困階層の再生産悪循環」の中でのたうち回っているような人はいない。皆、おりこうそうな坊ちゃん嬢ちゃん。
 竹村が指摘したように、上層では男女差別や人種差別はは昔ほど大きな抑圧や差別を生んでいない。優秀な女たち、優秀な有色人種は自分の能力でのし上がり、差別を受け付けない権利を手に入れることができる。問題は、貧困層ではよりいっそう弱い者が差別される構造から抜け出せないことだ。私だって、この講演会に1000円払えるくらい金を持つようになった。世界水準からいえば、貧困層ではないのだろう。

 小森は「最終的には、天皇制の問題にいきつく」と何度か言及して新自著『天皇の玉音放送』の宣伝もばっちり。
 本を買ったらサインするということだったが、図書館で注文することにした。「おばはんより若い人」と、オバハン拒否!?の小森に印税はらわんぞ。

本日のひがみ:若くなくても読むフェミニズム
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2003/07/26 土 曇り 
日常茶飯事典>ケータイ機種変変奏曲

 娘が「前期、よくがんばったので自分にご褒美」といって「ケータイ買いにいくから、お母さんも機種変更して」という。2台一度に買うと割引率が高いのだそう。あいちゃんが「激安」と紹介したケータイ屋。
 ちゃんとした店舗でなく、仮店舗のようなごちゃごちゃした店。店内は販促用のおまけ菓子が入った段ボール箱などが乱雑に置かれ、契約用のテーブルも備品も、「なにかやばいことがあったら、すぐに店をたたんで夜逃げができそうな」という感じ。路上に商品を並べ、販売は路上でする。その時点でこういう雰囲気の店はなんだか信用が薄いなあ、と感じた。店長は見た目「新宿の裏稼業で稼いで、ちょっと小金ができたのでケータイ屋はじめました」というふうの「堅気ではない」臭ぷんぷんの茶髪。目つきが悪い。

 日頃「安物の服を着ているからって、人間まで安物扱いされたくない」なんて突っ張っているくせに、人様の店を見た目だけで判断してはいけないんじゃないか、と「こんな店で買いたくない」と、娘に忠告したい気持ちを抑える。路上で販売している店員は商品知識なし。それでも、娘はいろいろ質問して、納得がいく回答を得たので、契約の書類に書き込みをした。

 しかし、路上の商品説明と、実際の契約が食い違う部分がいろいろあった。路上で受けた説明が、実際の契約時には破棄され、異なる条件がつけられた。いくつかの条件が覆り、最後に娘は「もういいです、契約しません」とやめにした。娘は、路上販売のニーチャンに「販売をするなら、ちゃんと商品知識をもってください」と抗議したが、ニーチャンは「あ、そう」という程度。

 そのあと、今までケイタイを買ってきた店に行き、値段はそれほど変わらないのを確かめる。「激安という言葉につられて、違う店で買おうとして失敗した。最初にいつもの店の値段を見てから、行けばよかった」という。こちらはすいているし、特に派手な新聞のチラシで「激安」を謳っているわけではないが、店員はきちんと教育され応対も丁寧だった。
 このごろ、販売や飲食業の店員の質とサービスについて思うことが多かったので、今回のケータイ販売でも、つくづく接客とはいかにあるべきかを考えた。

 今日は、神楽坂事務所の荷物引き上げ手伝いの日。息子は、手伝えば3000円もらえると言われて、午後は手伝いに行く。もらえるこずかいをあてにして、先にゲームソフトを買ってしまってある。

本日のつらみ:いつもケータイを携帯していくのを忘れる私
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2003/07/27 晴れ 
日常茶飯事典>水泳大会

 中学校水泳夏期区大会。
 息子は、個人フリー100が8位、リレーが4位。水泳部顧問の保健室先生から、「がんばりました」というメールと合宿のときのデジカメ画像が届いた。お礼メール返信。

本日のなみ:プールサイドに波たかし
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2003/07/28 月 はれ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『銀河鉄道の夜』

 月曜日授業、前期最終日。漢字試験と文集作成。

 夜、ビデオの『銀河鉄道の夜』を見た。ジョバンニ、カンパネルラがネコ。氷山にぶつかった船とともに海に沈んで、天国へいく人たちの顔は人間。どうして全部ネコじゃまずかったのだろうか。
 アニメとしてできは上々と思うけれど、アニメだけ見るという人に原作も読んで欲しい。

本日のやみ:銀河の駅、むこうは闇
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2003/07/29 火 曇り 
ニッポニア教師日記>ブレイクタイムのラジオ体操

  火曜日の授業最終日なので「みんな4ヶ月よくがんばりました。みなさん、とてもいい学生でした」と、ほめたら「先生は、とてもいい先生でした」とエルサルバドルのカン。インドのフラは「あなたのクラスが一番たのしかった」と言う。エールの交換。
 何度言っても「先生に対して、あなたを使ってはいけない」ということを忘れるフラも含めて、皆授業が終わってほっと一息。

 あと、最終試験とスピーチ発表が残っているが、このコースの試験は、点がとれなくても、落第するわけでなし。今まであらゆる試験において最優秀者として勝ち抜いてきたであろうエリート留学生にとって、プライドが満足できるかどうかだけ。

 授業が終わってから、朱賀先生と試験の打ち合わせをする。朱賀先生「授業中、フラがトイレに立つと、ゲールもトイレに行ったまま、なかなか帰らなかった。もどってきたとき、あなたたち、授業中にトイレに行くなんて小学生みたいよ、って言ってやった」と言う。う~ん、最後の最後まで朱賀先生のお小言をちょうだいしながら、がんばった学生にエール。
 私のような小物の教師、「授業中トイレに立つおまえは、小学生並だ」なんて、絶対に言えない。大学・大学院を卒業し、自国では教師、研究者として働いている立場の留学生たち。私は、フラが授業中トイレに立つと、「それじゃ、みんなブレイクタイムにしましょう」と、便乗するほう。

 フラはヘビースモーカーなので「トイレに行って来ます」と席を立つとき、一服してとぎれかかった集中力を復活させているんじゃないかと思う。
 私だって語学授業を90分ぶっ続けで受講したら、途中で集中力がとぎれることがある。大学で韓国語やタイ語の授業を受けたとき、虎ノ門教育会館でアラビア語の授業をうけたとき、近くにトイレがなかったから、教室を出ることはしなかったが、自分なりにブレイクタイムを作っていた。自国では大学講師のフラが、自己管理の上ブレイクタイムを自分なりに作っているなら、それは大人の判断として認めてしまう。

 今日、SFJ復習の時間は、プリントを使って短文穴埋め問題を続けたから、脳みそ沸騰。疲労も大きい。フラが「ブレイク」と言ってトイレにいったので「じゃ、みんなも頭を休めましょう」と便乗ブレイクタイム。
 ブレイクの間、「日本の文化と社会の紹介タイム」と言って、日本各地の夏休みに学校の校庭や公園で「ラジオ体操」が行われることを知らせた。ラジオ体操を少しやって見せて「このストレッチ体操を、日本人1億3000万人のほぼ全員ができます。すべての小学校中学校で、この体操を教えるんです」と、言う。「朝、6時半に公園から音楽が聞こえてきたら、この体操をやっているから、参加するといいよ。健康になります」と、おススメ。

 異文化シャワーをたくさん浴びた方がいい留学生は、盆踊りもラジオ体操も参加することに意義があると思っている。中国では、ヤンガーの踊りの輪に入りたかったが「連」のようなものがあるらしく、グループごとに輪を作るので、参加できなかった。
 ラジオ体操や盆踊りは、だれでも参加できるので、留学生にはいい体験になると思う。ゲ-ルが「無料か」と聞くので「もちろんフリー。だれでも、いつでも、どこでもフリー」と言う。
 さあ、8月は学生も講師も「リリース&フリー」だ!

本日のやすみ:あったらしい朝がくるブレイクタイム
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2003/07/30 水 雨のち曇り
日常茶飯事典>着ぐるみダンス

 午前中、Aダンスィング練習。9月の発表会、私の出演曲は、プレスリー特集の「監獄ロック」「テディベア」
 「テディベア」を踊っていると「e-Naちゃんは、何も衣装来ていなくても、くまの着ぐるみが踊っているようだわ」と言われる。そりゃ、衣装を用意する手間がはぶけて、結構ですな。
 Aダンスィングサークル、太めトリオのうち二人が抜けて、いまや私がただひとり「パパイヤおやじダンサーズおばはん版」なのだ。
 
 発表会がおわるまで、ビールを飲まないダイエットを決意。

本日のねたみ:私は水を飲んでも太る。
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 10年前2003年の夏も、2013年の夏も、ほんとうに変わっていません。
 2003年の夏、娘は大学生、息子は中学生。2013年、娘はパラサイト生活(家事担当)、息子は大学院博士課程学生。私は相変わらずの日銭稼ぎの食い扶持稼ぎ。

 進歩も発展もない10年間だったのがよくわかります。相も変わらずの授業をして、相変わらずの体型でダンスの練習。今練習しているのは、マイケルジャクソンの「ザウェイユーメイクミーフィール」と、レディガガの「テレフォン」です。
 むろん、9月の発表会までには痩せる「予定」!!

<おわり>
コメント (2)
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