
20140720
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>人形愛(2)四谷シモン人形展
♪わたしの人形はよい人形。
目はぱっちりといろじろで、
小さい口もと愛らしい。
わたしの人形はよい人形。
♫わたしの人形はよい人形。
歌をうたえばねんねして、
ひとりでおいても泣きません。
わたしの人形はよい人形。
歌いながら人形遊びをした日々、姉や妹とすごした少女のころを思い出します。
私は、人形遊びも好きでしたが、人形を見るのも好きです。しかし、娘は、「自分が手に持って遊ぶなら人形もかわいいけれど、ただ部屋において眺めたりする人形はこわい」というのです。
娘が幼いころは、狭い部屋に雛壇は飾れないまでも内裏雛だけでも部屋に飾ったのに、娘が「人形を飾ると、人形の目に見据えられてしまうようでこわい」と言うのです。いつのまにか、3月に内裏雛も飾らなくなりました。
娘の人形嫌いは、人形がなにか悪さをするホラーを見てのトラウマらしいです。私はホラーが怖くて大嫌いなので、娘に見せたことはないので、いったいどこで人形が出てくるホラーを見たのかは、わかりませんが。
娘はぜったいに「こわくて見ていられない」というだろうから、ひとりで見にいった展覧会。四谷シモン人形展。って、アート散歩はいつも一人なんですけれど。
6月9日、仕事が終わってから横浜に行きました。横浜そごうで開催されていた「四谷シモン人形展」を見るためです。招待券をもらったので。
私にとって四谷シモン(1944~)は、状況劇場の舞台写真で女形として活躍するのを見たのが強い印象に残っていましたから、舞台人かと思っていたのですが、実は人形作りのキャリアのほうが先で、役者のほうが「わきの仕事」だったのだと、後年知りました。
(乱闘事件などもおこした唐十郎の状況劇場と寺山修司の天井桟敷のうち、私は寺山派でしたから、天井桟敷の芝居は見ましたが、寺山に義理立てして、唐十郎は生でみたことなかった。四谷シモンの舞台見ておくんだった)
竹橋の近代美術館工芸館の建物が好きでよくでかけます。四谷シモンの「解剖学の少年」が常設ではありませんが、ときどき展示されていて、若者用語でいうところの「こわかわいい=怖いけれどもかわいい」思いで見てきました。でも、今回のようにまとめてシモン人形を見るのははじめてでした。
解剖学の少年(1983)近代美術館工芸展所蔵

怖かわいい人形がたくさん並んでいました。怖かわいいというか、グロ怖かわいい(グロテスクで怖いけれどかわいい)のも多かったです。
「写真撮影していいですよ」のコーナーもありましたが、展示作品は撮影不可。次の写真は、許可なし撮影です。

シモンの工房再現は、撮影OKのコーナーでした。



工房テーブルの上には、制作途中という風情の首

仕事帰り、デパート閉店までの間の短い時間でしたが、四谷シモン作品の全容を知ることができて、よかったです。買うお金があるなら。ひ弱な私は、上より下を買うかな。
慎み深さのない人形8(1975)


<つづく>