20141116
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>おい老い笈の小文(2)トリックスターとネット航海
OCNカフェブログの再録、読書メモのつづきです。
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74歳強盗トリックスター
at 2003 10/01 05:57 編集
老後の目標について「20年後に、日本人3人目のノーベル文学賞受賞者になります」と冗談を言うと、日本人学生は「ワッハッハ」と笑ってくれるが、留学生は真剣に「That's great!」と感心したり、応援してくれたり。あの、、、ここは笑って、、、。
笑っちゃったりしんみりしたりのニュース。2003/09/29のNHK昼ニュース。コンビニ強盗の報道。
中野区のコンビニ、サンクスで「金を出せ」と店員を脅した強盗、他の店員が奥から出てくると、何も盗らずに逃げた。コンビニからの通報でたちまち逮捕。
犯人は74歳の男性だった。所持金数十円。ほんとうに強盗をするつもりだったのか、それともただ、捕まりたかったのかは、まだわからない。
74歳という年齢で強盗ときいて、「そんなに困っていたのか」としんみりしたり、よくある「食い逃げ」などをせずに「強盗」すると決めたのはなぜなのか、と面白く思ったり。
悪さをしまくり、沈んだ世の中の澱をかき混ぜるトリックスターのようだと感じたり。
☆☆☆☆☆☆
春庭千日千冊 今日の一冊No.6
(か)川田順造『こう野から』(「こう」は、日ヘンに廣)
川田順造は、ケニアに行く前に読んだ「アフリカ関連本」の中で、トリックスター(道化)を広めた山口昌男と並んで、文化人類学的なものの見方考え方を教わった人のひとり。
川田の『マグレブ紀行』も好きな本だった。ケニアから帰国してから2年後、資金を貯めやっとモロッコからアフリカ縦断の旅に出ることになった。
いざ、マグレブへという寸前で、出発をとりやめ、飛行機もキャンセル。
駆け込みできちゃった婚をすることになり、未だにマグレブは遠い。
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老後はインターネットの海を航海
at 2003 10/02 07:31 編集
「老後を豊かにすごしたい」というのは、すべての人の願い。
でも、「豊かさ」の意味は人によって異なる。ある人にとっては、「ある程度の金」、また、「健康」。「人とのふれあいが一番」という人もいるし、「趣味をきわめたい」という人も。
さまざまな老後の過ごし方の中で、「ホームページ作成」は、自己表現の喜びと、人とのふれあいを得られる、一挙両得の趣味。多くの高齢者がウェブ上で活躍している。
カフェで見つけた堀田昭夫さんも、ホームページ作りを楽しんでいる75歳の方。 (まもなく76歳)
お孫さんの成長を楽しみにするよきおじいちゃんでもある堀田さん、ご自分のホームページhttp://members.goo.ne.jp/home/horitaakio)に、30年続けてきた趣味の切り絵を発表したり、自作の曲をBGMとして流したり。
昭夫さんのように、ホームページを楽しむ生活。ゆうらゆらりと、ネット海の航海を楽しめたらいいなあ。
ネットサーフィンはもちろん、ときにはヨットで、ときには豪華客船でクルージング、ときには小さな漁業調査船に乗り込んで、、、
☆☆☆☆☆☆
春庭千日千冊 今日の一冊No.7
(き)北杜夫『どくとるマンボウ航海記』
「ここではない、どこか」に行きたくてたまらなかった少女のころ、母の勧めで読んだ本。どくとるマンボウシリーズのほとんど、『牧神の午後』をはじめとする初期作品、どんどん読めた。
北杜夫作品中一冊だけ選ぶなら、やはり斎藤茂吉一家をモデルとした『楡家の人々』
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長寿世界一と「元気がなくてもええやんか」
at 2003 10/03 09:16 編集
ギネスブックに載っている長寿世界一、女性は116歳本郷かまとさん、男性は114歳中願寺雄吉さん。
男女とも日本人だったが、残念ながら、雄吉さんは、2003/09/28に永眠された。家族が見にいったら、布団の中で大往生をとげていた、という114年の見事な生涯。
でも、だれもがこんなふうに大往生できるわけでもないし、晩年までシャンシャンと過ごせるわけでもない。
私の伯母も米寿を超えて、姪たちの顔や名前がわからなくなってきた。それでも伯母に最後まで楽しく生きていってほしいし、好きなものを食べておいしいと感じてほしい。もう、がんばらなくてもいいから、ふんわりとゆったりと、すごしてほしい。
そんな思いでいるとき、数学者森毅さんの近著『元気がなくてもええやんか』の紹介と著者インタビューが2003/09/14の朝日読書欄に載った。
天声人語にも引用されたことば、「みんなが毎日ハイになることないやんか。元気がない人もいてええんや」
こんなふうに言ってもらうと、年中落ち込み、しょっちゅう元気をなくしている私は、ほっとする。元気出さなくちゃ、と自分にはっぱをかけつつ、「元気がなくてもええやんか」とつぶやいて、明日を迎えることにしよう。
☆☆☆☆☆☆
春庭千日千冊 今日の一冊No.8
(く)串田孫一『光と翳の領域』
若い頃、あんなに熱心に読んだのに、今、本を手にとって目次を眺めても、どんなことが書いてあったのか全然思い出せない、という本もある。
山登りが好きだった頃、せっせと読み、味わい深く心にとめた串田孫一のエッセイ類。
伯母が姪の顔を忘れるように、私も好きだったエッセイの内容を忘れている。
でも、いいのだと思う。全部が全部記憶にあって、すべてのことをくっきりと思い出さなくても。ぼんやりとしている記憶。おぼろげな思い出。それもこれも自分の一部。
「忘れちゃってもええやんか」と言いながら、ページを閉じる。
<つづく>
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>おい老い笈の小文(2)トリックスターとネット航海
OCNカフェブログの再録、読書メモのつづきです。
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74歳強盗トリックスター
at 2003 10/01 05:57 編集
老後の目標について「20年後に、日本人3人目のノーベル文学賞受賞者になります」と冗談を言うと、日本人学生は「ワッハッハ」と笑ってくれるが、留学生は真剣に「That's great!」と感心したり、応援してくれたり。あの、、、ここは笑って、、、。
笑っちゃったりしんみりしたりのニュース。2003/09/29のNHK昼ニュース。コンビニ強盗の報道。
中野区のコンビニ、サンクスで「金を出せ」と店員を脅した強盗、他の店員が奥から出てくると、何も盗らずに逃げた。コンビニからの通報でたちまち逮捕。
犯人は74歳の男性だった。所持金数十円。ほんとうに強盗をするつもりだったのか、それともただ、捕まりたかったのかは、まだわからない。
74歳という年齢で強盗ときいて、「そんなに困っていたのか」としんみりしたり、よくある「食い逃げ」などをせずに「強盗」すると決めたのはなぜなのか、と面白く思ったり。
悪さをしまくり、沈んだ世の中の澱をかき混ぜるトリックスターのようだと感じたり。
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春庭千日千冊 今日の一冊No.6
(か)川田順造『こう野から』(「こう」は、日ヘンに廣)
川田順造は、ケニアに行く前に読んだ「アフリカ関連本」の中で、トリックスター(道化)を広めた山口昌男と並んで、文化人類学的なものの見方考え方を教わった人のひとり。
川田の『マグレブ紀行』も好きな本だった。ケニアから帰国してから2年後、資金を貯めやっとモロッコからアフリカ縦断の旅に出ることになった。
いざ、マグレブへという寸前で、出発をとりやめ、飛行機もキャンセル。
駆け込みできちゃった婚をすることになり、未だにマグレブは遠い。
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老後はインターネットの海を航海
at 2003 10/02 07:31 編集
「老後を豊かにすごしたい」というのは、すべての人の願い。
でも、「豊かさ」の意味は人によって異なる。ある人にとっては、「ある程度の金」、また、「健康」。「人とのふれあいが一番」という人もいるし、「趣味をきわめたい」という人も。
さまざまな老後の過ごし方の中で、「ホームページ作成」は、自己表現の喜びと、人とのふれあいを得られる、一挙両得の趣味。多くの高齢者がウェブ上で活躍している。
カフェで見つけた堀田昭夫さんも、ホームページ作りを楽しんでいる75歳の方。 (まもなく76歳)
お孫さんの成長を楽しみにするよきおじいちゃんでもある堀田さん、ご自分のホームページhttp://members.goo.ne.jp/home/horitaakio)に、30年続けてきた趣味の切り絵を発表したり、自作の曲をBGMとして流したり。
昭夫さんのように、ホームページを楽しむ生活。ゆうらゆらりと、ネット海の航海を楽しめたらいいなあ。
ネットサーフィンはもちろん、ときにはヨットで、ときには豪華客船でクルージング、ときには小さな漁業調査船に乗り込んで、、、
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春庭千日千冊 今日の一冊No.7
(き)北杜夫『どくとるマンボウ航海記』
「ここではない、どこか」に行きたくてたまらなかった少女のころ、母の勧めで読んだ本。どくとるマンボウシリーズのほとんど、『牧神の午後』をはじめとする初期作品、どんどん読めた。
北杜夫作品中一冊だけ選ぶなら、やはり斎藤茂吉一家をモデルとした『楡家の人々』
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長寿世界一と「元気がなくてもええやんか」
at 2003 10/03 09:16 編集
ギネスブックに載っている長寿世界一、女性は116歳本郷かまとさん、男性は114歳中願寺雄吉さん。
男女とも日本人だったが、残念ながら、雄吉さんは、2003/09/28に永眠された。家族が見にいったら、布団の中で大往生をとげていた、という114年の見事な生涯。
でも、だれもがこんなふうに大往生できるわけでもないし、晩年までシャンシャンと過ごせるわけでもない。
私の伯母も米寿を超えて、姪たちの顔や名前がわからなくなってきた。それでも伯母に最後まで楽しく生きていってほしいし、好きなものを食べておいしいと感じてほしい。もう、がんばらなくてもいいから、ふんわりとゆったりと、すごしてほしい。
そんな思いでいるとき、数学者森毅さんの近著『元気がなくてもええやんか』の紹介と著者インタビューが2003/09/14の朝日読書欄に載った。
天声人語にも引用されたことば、「みんなが毎日ハイになることないやんか。元気がない人もいてええんや」
こんなふうに言ってもらうと、年中落ち込み、しょっちゅう元気をなくしている私は、ほっとする。元気出さなくちゃ、と自分にはっぱをかけつつ、「元気がなくてもええやんか」とつぶやいて、明日を迎えることにしよう。
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春庭千日千冊 今日の一冊No.8
(く)串田孫一『光と翳の領域』
若い頃、あんなに熱心に読んだのに、今、本を手にとって目次を眺めても、どんなことが書いてあったのか全然思い出せない、という本もある。
山登りが好きだった頃、せっせと読み、味わい深く心にとめた串田孫一のエッセイ類。
伯母が姪の顔を忘れるように、私も好きだったエッセイの内容を忘れている。
でも、いいのだと思う。全部が全部記憶にあって、すべてのことをくっきりと思い出さなくても。ぼんやりとしている記憶。おぼろげな思い出。それもこれも自分の一部。
「忘れちゃってもええやんか」と言いながら、ページを閉じる。
<つづく>