▲さぁ、祭りの時間だ!
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越後妻有雪花火は、「大地の芸術祭」の「越後妻有2018冬」のイベント一つである。わずか10分チョットの花火であり、見る方もオールスタンディングであるが、環境と演出と音楽とそして花火が相乗効果を成し、非常に美しく、趣深く、煽情的で、情熱的で、一度見たらもう一度見たくなる、そんな素敵なイベントである。
今年も幸いにしてベルナティオに部屋を取ることができて、冬のごほうび旅となった。
送迎バスでホテル入り。部屋にはまだ入れないものの、チェックイン手続きをして荷物を預けてゲートに向かう。今年は一番乗りであった。まぁ、ここで一番乗りしてもあんまり意味がないのだけど、ちょっとだけ気持ち良い。やがて、シャトルバスがやってきて、三脚を持った人々で列ができる。
開場となる12時ゲートオープン。といっても、花火目的の人は次のゲートまで進むだけである。とはいえ、若者の足にかなうわけなく、次のゲートに到着してみれば、15番目ぐらいまで下がっていたorz 並んだ順に次のゲートまで先導してくれませんかねぇ…。ボランティア主体の運営なので、人手が足りないのは重々承知していますけれど。
12時にオープンしたのは屋台村も同じ。とはいえ、まだ準備不足のところが多く、観客もまだそれほど入っていないので、まったり準備をしている。
狙いの魚沼の雑煮を松乃井でチビチビやりながら食す。この餅でっかく厚くって、なのに滑らかで柔らかくて本当においしい。
その脇を同時開催の別イベント「豪雪ジャム」の観客らが通り過ぎていく。この豪雪ジャムをフェス初めとする人もいるようで、皆さんおしゃれ度が高い! サングラスやカラフルなニット帽、椅子までもおしゃれだよ。え!? こっちはがっつり長靴ですが何か!?
いったんホテルに戻って部屋に入る。夜花火装備にしてカメラや三脚を持って再スタンバイ。
今度は本気のかんじき装着である。
そして開場。今回はメインを少し離れるつもりでのかんじきだったので、途中で道なき雪原へグィーンとカーブ。非圧雪地帯へ突き進む。
おれの前に道なし、おれの後が道となる!!
(あ、おれは方言です)
そしてちょっと小高いところに三脚を置き、周辺をふみふみふみふみする。かんじきなら子供のころから履いているからまかせて!!
一息ついてまわりを見ると、「おれの道」を上がってくる人が何人も…。その辺りをちゃんと道つけするのが雪国デフォルト。もう1ルートも道つけして、第1作業終了。
続いて、光の花の種まきへ。
入場に一人1個渡されるカラーLED。このスイッチを入れ、ボランティアが作った丸い雪の田んぼに植えていく。日が落ちるにしたがって、LEDの光が増し、雪に乱反射してカラフルな花を作っていく。この光の花畑も、大地の芸術祭の作品の一つとなる。
あ、このLEDは使いきりで処分に特別な手段をしなければならないので、持ち帰りNGね。うっかり持ち帰った人、劇物入りらしいから、そんじょそこらに捨てないこと!!
やがてジャムの音楽が止み、一般観客が増えていき、爆焼けの空を経て、夜の帳が下りてくる。先ほどまで白かった雪面がカラフルに光で彩られていく。ごく薄いベールをまとった空は、雪上のわずかな熱を吸い上げていき、空気がきりっと引き締まる。
人々が光の花の中にシルエットとして浮かび上がり、そして、打ち上げ開始でございます!!
▲今年は初段に3尺玉を上げ、ケムケムになる前にクリアに…って。千輪!? 燃焼速度の遅い、趣のある千輪だった
▲そこから先はDJの音楽に合わせてリズミカルにスピーディに花火が打ちあがる。息つく暇ない、シャッター切る暇ない
▲二尺も惜しみなく上がるで!三重芯やで!!
▲グルグル玉に合わせてトラも色違い
▲蛹で冬越ししているはずのチョウチョも思わず起き出す、楽しい花火
▲時差変化の軌跡が螺旋となって残る動的にも静的にも美しいグルグル玉
▲銀が艶っぽく見える彩色バランス
▲開発点撮れてないんだけど、この螺旋ぐるぐるはすごかった。目を張った
▲2発目の二尺は。例の控えめな曲導に導かれ…。
▲大きめな小割の千輪が何色も色を変えて開き…。
▲これでもかって錦と雷が雪原を浮かび上がらせる
▲〆の二尺は黄金すだれ小割浮き模様
すご、すごい!! 今年もすごかった。新玉も上がり、新しい試みもあり、なんですか、この進化。小千谷煙火さん、ありがとう!!
わずか10分チョットの花火ではあるが、音楽と演出と花火の相乗効果で実に濃密なひと時となる。人々の心の揺らぎは空に吸い上げられ、星の瞬きと化す。雪面は冴え冴えと冷え、光沢を増すそんな時間、夢のような時間は今年も終わってしまった。
本当に今年も貴重なひと時であった。来年もここに来て楽しめるといいなぁ…。