▲尺玉同時打ち。打ち始まってすぐに尺玉以外撮る価値なしと思ったので、そうしていたのだが、尺玉もあんまりいい玉がなかった。アルプスさんが手を抜いているのか、神田が仕入れ価格を叩いているのか…。
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昨日は「話題の」こうのす花火大会であった。
前回は2010年に見ている。三尺玉が初めて鴻巣で上げた年である。その時見て、もう二度と来ないわ~って思った花火大会である。
一言でいうと、小さい花火が酷い。スターマインとか、同じ花火で2つ見ればごちそうさんレベル。低空開発、地上開発お手の物。なぜ3号、4号がちゃんと上がらない? 隅田川なら大惨事レベルである。
まぁ、もとは商工会が一生懸命盛り上げようっていう花火大会だからねぇ。別に地元で少しずつ成長していくのならいいのだけど、何とか目立とう目立とうというあざとさが前に出過ぎ。
あ、そうそう、最近の言葉でいえば「中二病」。まさにこれだ。
▲鳳凰乱舞 右の光球はお月さま、半月であった。
で、今年の話題は「四尺玉上げます!」ってこと。
初めてこの話を聞いたときから半信半疑だった。マジかよ~。神聖な四尺を勝手に宣伝に使うんじゃない~! って思ってきた。
こうのすの公式サイトで「世界で片貝でしか見られない四尺玉が…」と、宣伝に使われるのも忌々しい気持ちで見ていた。
いくらほかが酷くたって見なくてうじうじするより見て冷静に判断しなくては…と決めたのは9月下旬になってから。
それでもやる気が出なくて、結局3-4日前に公式サイトを確認した。すると、今まで見られた場所が四尺の安全保安距離内に入ってしまうらしくほぼ封鎖。新設された自由席は多分角度的にきれいに花火が見られない。ということで、残り少なくなってしまった土手上で見ることに決める。
当日は始発で行ったが、どうも前夜のうちにほぼ大勢は決まっていた。しかし、大きなシートと大きなシートの間にまるでおひとり様専用というスペースを見つけたので、そこに場所を確保。
堤防通路は朝はまだ通行ができたので、トコトコ歩いていると、三尺の筒の横に四尺の筒を発見。事前情報通りに埋めていない。筒の周辺にやぐらを組んで、土嚢200個(このことがブログに書いてあった)で押さえてある。うーん、なんだか不安だなぁ。というか、三尺と同じようなラインで安全保安距離は大丈夫なのか!?
この辺りは観覧禁止なのに、その情報を知らない人がすでに場所取りをしている。筒の前まで散歩に行っている人がいるんですが…。その筒、多分玉(火薬)が入っているのだが、安全管理は大丈夫なのか!? 不安が増す。
▲鳳凰乱舞
いったん撤収して、夕方再出陣。
土手上は、従来の場所に行けなかった人でいっぱい。私の前は本来は観覧禁止なのだが、あまりの見る場所の無さに、人々が徐々にそちらにはみ出していく。警備員は見てみぬふり。おいおい、本当に安全管理は大丈夫なのか?
最終的に、私の背後に着席第2列目ができ、その後ろに立ち見の人が身動きできないような状態で花火が始まった。確か通路の反対側に座っていた人がいたはずだが、彼らはどうしたのだろう…。
で、打ち上げ開始。1プログラムごとに協賛者とメッセージが読み上げられるので間が空く。私の見ていた辺りにはスピーカーが設置されていないので全く聞こえない。まぁ、私はラジオ持参だったのでよかったけれど…。
このプログラム、いちいちプログラムの脇に金額が入っているのがなぁ。この価格ならこの程度に花火になりますよアピールなのか、新たなスポンサー募集なのか…。今のドライな人はこういうのがいいのかなぁ。
で、ラストまでが長い。前見た時も思ったけれど、その他の花火も特筆することがなく、スターマインもそれ、さっき見たという同じものばかり。しかも低空開発とか頻発しているし…。尺玉の引き先が地上に着弾して、ぼや起きるし。それを消火に走る煙火店関係車。
改めて思う、四尺上げる前にやること多すぎだろう。
尺玉はアルプス煙火玉のはずなのに、何ともつまらない玉ばかり(後日、大洋煙火@鹿児島の玉も使っていて、アルプス煙火より多いことを知る)と。引き先が長いものは、すべて風に持って行かれるみだれ髪仕様。うーん、フィナーレまで苦行だ、修行だ。しかも、周りの一般の方は無邪気で、そんな花火でも喜んでいるからなぁ…。
あれだ「荒れ地の修行中に悪魔が誘惑に来る」って、西洋絵画のあのシチュエーションだ。だが花火本体の「化け方」がお粗末なので、全然誘惑されないのだよね。
▲鳳凰乱舞
ということで、ようやくラストプログラム、鳳凰乱舞。準備中ですって言ったのに、いきなり前触れなく上がったよ。
あれ、こんなレベル?
どうもギネス登録のときは特別版だったらしい。今まで溜めて溜めた分が大きかっただけに、ちょっと失望感。だが、この花火の中間に三尺が上がり、ラストに四尺が上がる。
せっかくの目玉の大玉だから、きちんとあげて欲しいのだが、なぜにほかの花火にまぶす? まぁ、失敗したら目立つから、ほかの花火に混ぜちゃえっていう真理は分かるが…。
ということで、中間の三尺。余韻を持って撮っていたら、すぐ後の花火が上がった。見せ方分かっていないよなぁ…。そしてラストの四尺。
上がった!
開いた!
▲鳳凰乱舞。〆の四尺玉
あれ? おむすび山? しかも小さい。ちょっと低い?
まぁ、それでも正面(有料席)ではちゃんと見えたらしい。
ただ、私の周りでさっきまでの花火で喜んでいた人々が辛辣だ。なにせ、ここには放送が聞こえてこないからね。
「四尺玉いつ上がったの?」
「四尺玉どれだったの?」
「この後、四尺が上がるのよね」
えっと…。
最後のあれが四尺ですよって教えてあげたら
「全然小さかったわねぇ、なんか期待外れだったわ」
「もっと空を覆うばかりかと思った」
「え、どれ? 上がったの?」
といったお声多数拝聴。
まぁ、確かに成功と言っていいかどうかの四尺だったね。型が崩れるのは片貝でもよくあるが、私のところから見るととくに崩れが目立った。片貝は、それでも最後には丸く収まるのだが、この日は風もマイナスに働いたようだ。
それに盆も小さかったしね。三尺の方が大きく見えるぐらいだった。筒はそれほど後方に下がっているようには見えなかったんだけどなぁ。
とりあえず、アルプス煙火にはお疲れさまでしたとだけ言っておこう。
これ、来年以降もやるつもり満載だよね。筒作っちゃったんだもの。
ラストまでの花火がレベルアップしない限り、今後は見に行かないだろう。片貝の四尺があるもの。
▲鳳凰乱舞。中間の三尺玉。最後のキラキラまで押さえていたら、無情にも次の玉が開いたよ
以下余禄
▲尺玉同時打ち 万華鏡もひしゃげモードでお送りします
四尺玉は私の故郷、新潟県小千谷市の片貝まつり(浅原神社秋季大祭奉納煙火)で打ち上がる、世界一の大花火である。片貝の花火は、1発1発、片貝の人々を中心とした奉納者が、自分の願い、思いを込めて打ち上げる、魂の籠った花火である。この1発のために、日々節約し、貯金を取り崩し、時には女房を質に入れ(これはローカルジョークである)、それこそ身を切ってあげる花火。これが江戸時代から続いているという、稀有な花火である。そして、三尺玉発祥の地である。
その三尺が四尺にグレードアップしたのは今から約30年前のことである。
ある日突然三尺よりちょっとだけ大きな花火が打ち上げられたというニュースが流れた。その大きさは玉皮に張る紙をちょっと厚くすれば…、ちょっと余計に貼れば…達成できるようなサイズである。
そんな小細工レベルので三尺を越えたって言ってもらっても困るということで、まず片貝が三尺三寸を上げ、次に長岡が三尺五寸を上げた。その後、では片貝は四尺を上げよう、そこまで行けば誰も文句を言うまいということで、片貝の四尺への挑戦が始まった。それがようやく実現したのは1985年のこと。以後、今まで片貝まつりのたびに1日1発ずつ、計2発上がっている。
私はこの一連の流れを小千谷にいて身にピリピリと感じていた。
そんな四尺玉を、鴻巣の花火大会の宣伝に安易に使ってもらっては、片貝に失礼じゃないかー!
▲尺玉同時打ち 風に流され、超みだれ髪になった
どうも、鴻巣は拡大路線を取った当初から四尺を上げようという野望を持っていたらしく、なんと片貝煙火(日本で唯一四尺玉を作る会社である)に玉を作ってくれとお願いに行ったらしい。
こうのすの関係者って、片貝まつりがどういうのか、どういう経緯で四尺玉が上がったのか知っていたのだろうか…。当然祭礼でもなんでもなく、ただの看板に使われるだけのものではないということで本田氏にお断りされる。
ただ、どうも「そちらで勝手に作って勝手に上げること自体はそちらの自由だ」という旨は言われたようだ。現行の法律では四尺以上の花火が作れないのは事実であるが、別に四尺を作ってはいけないなんてきまりはない。
ということで、こうのすで三尺玉を提供しているアルプス煙火にお鉢が回ってきたということらしい。
新潟の花火愛好家の間では「三尺ですらよろよろとまともに上げられないアルプス」と認知されているらしく、実際、他県では上がらなかった三尺もあるようだ。
そりゃ、昔は片貝煙火でも上がらないことはあったけどさ、最近は確実に上がる。まぁ、三尺は嘉瀬(長岡)も作り(現在は製造は廃業)、阿部(加茂)も作るしね。
で、アルプスさんは海外などで試し打ちをしたりしながら、今年こそ行けるということになったらしい。
▲尺玉同時打ち 方向変化。地面に突き刺さってる~。ちゃんと尺玉の高さじゃないよね、これ
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