及時雨(きゅうじう)[人を助けるのにあたかも旱魃に於ける雨の如くという意味だよ]の宋 公明と別れて武松は陽穀県に入り、行く手に酒屋があるので、入ることにする。軒先に看板の旗が書いてあって三碗不過岡(三杯飲めば峠を越せぬ)とある。
つまみを取って三杯酒を飲んでしまうとそれっきり注ぎに来ない。そこで親爺に文句を言うとどんな人でも三杯飲むと酔ってしまい峠を越せないのだと・・・。
「でも俺は三杯飲んでも酔わないぞ」と言うと、親爺「うちの酒は透瓶香(匂いが瓶を突き抜ける)またの名を出門倒(門を出た途端にぶっ倒れる)と言いまして、始めは飲み口がいいのですが、少し経つとぶっ倒れるんで」。それでも武松三杯持ってこさせてあっという間に飲み干す。 「旦那まだ、5,6杯分もありますんで。」「おお、まだそんなに飲めるのか・・・・・」とうとう、15,6杯も飲んで出て行こうとする。「旦那、これから上る景陽岡には虎が出て人を襲いますんで」と注意するが武松はおかまいなし。・・・・と話は進んで、やはり虎が出てしまった。
虎の攻撃には「ひとうち」、「ひとけり」、「ひとはたき」がある
虎の攻撃をかわすと、ひらりと後ろに回り込んだ。虎は後ろをとられるのをなにより苦手で前足を地面に引っ掛けて後ろ足で蹴り上げた。今度は武松脇へ避ける。虎は尾を逆立てて振りはたいた。それも避けると虎は真っ向から襲いかかってきた。武松は両手で虎の頭を地面に押え付けて、足で虎の眉間を蹴りつけると、虎は苦しがって、地面を掘ってしまった・・・・・・。
武松は左手で頭を掴み右手で鉄槌のような拳で虎を撃ち付けるとさすがに虎はお陀仏となった。・・とまあ武松の虎退治の一節でした。
中国の酒で我々が知っている酒と言えば、老酒(紹興酒)桂芳陳酒、杏露酒、周恩来首相が良く飲んだ?マオタイ酒なんか知っているが、何でももっと沢山の種類の銘酒があるらしい。この透瓶香(出門倒)がどんな酒だか分からないが、皆さんも飲んでみたいと思わない?。う~ん、飲んでみた~い。