「行商~ギャラリー・サーカス」 スパイラルガーデン

スパイラルガーデン港区南青山5-6-23
「行商~ギャラリー・サーカス」
4/1~4/3(会期終了)



スパイラルガーデンで開催されていた「行商~ギャラリー・サーカス」へ行ってきました。

出展画廊については下記の行商WEBサイトをご覧ください。*ブログ→「行商~ギャラリー・サーカス・オフィシャルブログ」

「行商~ギャラリー・サーカス」出展画廊


「アルゲマイネ」展示風景

会場は二つ、つまりは立体展示も可能な大型ブースの「アルゲマイネ」と、開廊5年以内、もしくは代表者が40歳以下限定の「ユンゲ」に分けられています。またスパイラルでのフェアといえばディレクター単位で区切ったULTRAを思い出しますが、今回はあくまでも画廊単位での出品となっていました。

それでは手短かではありますが、簡単に印象に残った画廊などを挙げてみます。

フマコンテンポラリートーキョー/ブンキョウアート:芸大大学院在住の加藤大介の3点の木彫。白いドレスをきたスレンダーの女性像がとても魅力的。また頭部を覆い隠した葉や昆虫の他、灰色の肌など、どこか虚無的な雰囲気が感じられるのも良かった。

ギャラリーモモ:2007年にシェル美術賞のグランプリを受賞した福島淑子の個展。どこか円を描くように絡み合うとも、また格闘するとも言えるような女性たちを描く。全くよどみのない背景の黒には思わず引込まれそうに。全体に人物の色遣いなどがシェルの時よりも強くなってきているようにした。

Gallery花影抄:伊多呂の根付彫刻に釘付け。武者をモチーフにした作品の他、版画の技法を用いての平面作品における細密描写も印象に残った。

eitoeiko:昨年夏に同ギャラリーで個展を開催した江川純太の新作ペインティングが目を引く。かつてはストロークがどこか背景(シルバー)へ溶け込むような物静かな印象を受けたが、今回は一変。ブロックともとれるようなモチーフがこちらへ飛び出してくるかのように浮き上がっていた。短期間での作風の変化に驚嘆。烈しい。

MAQUIARTO 7TH FLOOR ART ROOM:昨年のアーティストファイル展にも出品のあった斎藤ちさとの気泡シリーズの写真。写り込む風景と気泡が呼応し、どこか幻想的な世界を醸し出す。見ているとほっとするような懐かしい感じがした。

アンシール・コンテンポラリー:玉野大介の一連の絵画。どこか死を思わせるような異様な雰囲気には強く心を揺さぶられる。エスカレーターをのぼる白無垢の花嫁たちの姿はまるで葬列。同ギャラリーで開催中の激凸展(~4/9)にも出品があるそうなので是非伺いたい。

SAVE TOHOKU PROJECT:東日本大震災を支援するチャリティーで立ち上がったブース。デュマスを思わせるような妖しい魅力をたたえた興梠優護のドローイングが良かった。なお本プロジェクトは売上の一部の他、作家によっては制作費用も一部義援金に拠出されるとのこと。


「eitoeiko」展示風景

この行商はアートフェア東京の「サテライトフェア」として、コレクターの裾野とともに、「アートの絨毯」(行商WEBサイトより引用)を広げることにも意欲が向けられていたそうです。残念ながらアートフェアは中止されてしまいましたが、それでも行商には4000名超もの入場者があったと聞きました。

「行商~ギャラリー・サーカス」に於ける義援金募金の取り組みについて。

ところで行商からも経費を除いた出展料などが義援金に組みこまれています。こういう状況下で色々と制約などはあったことかと想像されますが、SAVE TOHOKUの藤本さんをはじめ、行商を主催された池内さんをはじめとする画廊の関係、また作家の方には深い敬意を表したいと思います。ありがとうございました。

開催は既に終了しています。
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