漢字検定試験を受ける山村留学生二人の家庭教師をたまにしています。漢検7級、小学4年生までの漢字が試験範囲です。
初めは、問題を作っていました。 学校のテストのように問題部分を□の空欄にして ① じどうしゃ□□□をてんけん□□する。 ② きそく□□をかいせい□□した。 という方法です。 これだと、問題を作る→解答をする→〇をつける→できない漢字は辞書や教科書で調べる→練習書き取りをする・・と 10問やるだけで時間がかってしまいます。 そこで、漢検問題集を使って、口頭で一問ずつ問題を出して、その場ですぐに正解を教えることにしました。
この方法をとることによって、なかなか点数が上がらない理由がわかってきました。
①教科書に頼っている。
つまり、教科書に書いてある、出ている出ていないで、彼女等は漢字を覚えようとしています。 だから、改正の「改める」も「正しい」も「良い」わかっているのですが、教科書に出ていない熟語である「改良」、「正当」、となると??となってしまう。
②日本語の意味を知らない。
「はなのめがでる」は書けるが、「めぶき」という言葉を知らないので、「木々が芽ぶく」が書けない。木にも芽があることを知らなかった・・・。
③知らない言葉が文章にあるとわからなくなる。
「しきおりおりのはな」 「四季」と「花」は書けるが、「おりおり」という言葉を知らないので、文章の意味がわからなくて解答できない・・・。
「列車」も「改正」はかけるが、「れっしゃのダイヤがかいせいされた」 ダイヤがなんだか知らないので、ダイヤは宝石をイメージして書けなくなる・・・
と、いった具合です。
だから、漢字の学習は、ただ書き取りをするだけでなく、その漢字を使った別の熟語を一緒にその日本語の意味と共に覚える。 文章の中で覚えてゆくことが大切なのだとわかりました。
日本語を楽しく覚えないことには、漢字学習は漢字の形を覚えるだけの学習になってしまいます。
教科書でしか文章に触れる機会がないので、教科書に書かれている以外の漢字や日本語がわからない、語彙が増えないということもありそうです。 だから、読書は大切です。
これは、普段の生活でも 聞いていても、相手が言っていることがわかっていない、ということにもつながり、なかなか示唆深い現象です。
私もいい勉強をさせてもらっています。