NPO日本エコツーリズムセンター、NGO日中市民ネットワーク(CSネット)がJICAからの助成を受けて推進している、中国草の根市民活動支援「中国各地の自然学校設立支援プロジェクト」のその後の経過報告です。
(上海のネットワーク会議で中国全土から集まった自然学校ネットワーキングワークショップに集まった人たち。20代30代が圧倒的に多い 2013.11)
中国国内各地での自然学校のネットワーキングは、CSネットのコーディネイトで進んでいます。 社会活動の監視の中でインターネットの中国版SNSを駆使して、自然体験型環境教育に関心を持つ個人、研究者、草の根NGOの連携は驚くべき速さです。私達、日本人協力者(日本各地の自然学校経営者)の仕事は、日本でどのように自然学校が形成されてきたか、そしてどのように運営されているかを伝えるテキストとプログラムデザインに関わるテキストの2冊を作ることにあります。すでに原稿は提出し、現在中国語に翻訳中です。
一方、日本の自然学校で実地研修も開始し、昨年度は3名がホールアース自然学校、KEEP協会、くりこま高原自然学校などで3週間の研修をしました。本年度は、9月末から黒松内ぶなの森自然学校でも2から3名を3週間の受け入れ予定しています。 2週間は自然学校にて、1週間は道内各地の施設を視察旅行をする予定です。
中国と日本は外交的、領土問題においてギクシャクしています。また、中国に対してあまりいい印象を持たない日本人も増えているようです。中国を語る時には、その政治体制や社会背景も見ないと、ある一面(共産党中央集権、限りなく見える領土拡大政策と実行など)からのステレオタイプな中国観となってしまいます。
中国人民は独立を臨んでいる民族も含めて、13億人とも14億人とも言われています。1億人を越える超大金持ちと、同じくたぶん億の単位のすでに日本人と変わらぬ収入を持つ人々と、さらに数億人以上の日本の社会的弱者と呼ばれる人々、貧困層がいます。労働に対する考え方も、かつての日本で言われていた3K(きつい、きたない、きけん)仕事とホワイトカラーの仕事の分け隔て観を持つ人々も根強くいるようです。
国家が情報コントロールをする監視社会において、国民の情報格差はもちろん大きく、インターネットは国際的環境にはありませんが、国内的にはすでに中国版facebook, twitterもあり世界仕様になっています。情報共有の速さは監視はあると言えども、かつての中国では想像できない位に広がっています。
それゆえに、日本と同様にさまざまな社会問題は顕在化する中で、政府系NPOだけでは課題解決はほど遠く、非政府系の草の根市民活動が台頭しています。経済的に恵まれた中間層は、どんどんと海外へ旅や視察ができるようになっています。自分の目と耳で中国以外の社会を知ることができます。そして、様々な分野の社会的事業のノウハウを取り入れようとしています。
このプロジェクトも自然・環境系の草の根市民活動の支援にあたります。
(上海郊外のオーガニックカフェで開催された、半農半Xを提唱する塩見さんの中国翻訳本の出版記念講演会に集まった若い人たち 2013.11)
ップ画面は、上海郊外で有機農法に取り組む草の根NGOへの視察。 過疎化が進み高齢者が多い田舎での活動です。
下記は、昨年のブログ,です。
中国の市民活動と自然学校設立プロジェクト
昨年11月に中国の成都と北京で開催された初の自然教育の全国フォーラムに参加したことを契機に、中国に自然学校を作る支援プロジェクトに参画しています。 日本における中国社会の報道は...