高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

デジタル依存症

2019-09-13 10:20:09 | プログラム 自然療育

9月10日

江別すずらん病院精神科とネット依存障害と診断された高校生とワンディキャンプ。 ネット依存はすでに精神疾患との認定があり、文科省も調査し、全国で60万人はいると推定されています。 すずらん病院でも専門外来は2,3ヶ月待ちだそうで、首都圏では半年も先でないと予約診療が受けられないほどの社会問題となっており、野外活動の分野では、国立の宿泊体験施設で、もう何年も前から1週間ほどのキャンプを試行していることも最近知りました。

本来であれば、黒松内まで来てもらい副数日の活動をしたいところですが、そもそも外に出ることをしなくなっている子達ですから、外活動するにも事前のカウンセリングが必要ですし、ましてや遠くに泊まりがけは初回からは無理ということで、病院周辺で活動場所を探しました。 江別は札幌郊外とは言え、大都市の衛生都市ですから、黒松内のようなノンビリな雰囲気はありません。野幌に大きな自然公園もありますが、散策自然観察ではインパクトのあるプログラムを作り出しにくい・・・、

下見で病院周辺を調べたところ、千歳川の下流域は緩やかな大河で河畔林が両側を覆って緑の回廊になっていることを発見。 ココだ!!ということで、カヌーをメインにしたワンディプログラムとしました。 参加者は高校生の男の子ふたりと女の子がひとりの計3人、病院側からは担当医師と療法士さん2名に、興味を持って頂いて病院長も参加されました。

作りこんだプログラムではなく、「みんなで一日、楽しく過ごそうぜ!」ってな感じで進めました。

すぐにカヌー下りでなく、アイスブレイクを兼ねて大河に注ぐ支流でいつものように網を持って、生き物探しをしました。しかし、住宅地の中のヨシアシが生えているような小川でしたが、(間違いなく小魚くらいはいるだろうと、下調査もしていなかった)さすが、都会、一匹も捕獲できませんでしたが、まあ、いつもと違うことを大人も含めてみんなで一緒に遊ぶ体験だけはできたかな。

その後は、河川敷でぶた汁作りをして昼食、川に入ってライフジャケットの安全を確かめて、いよいよ入水。 堰堤はずっと続き車も走らせられるので、「漕ぐ距離はみんなで決めよう」と事前に言っていたのに、予想外に風が強くて、それも下流側から波立つほどに吹いているので、安全管理上、こちらで、どこからどこまでを決めざるを得ませんでした・・。 結局、2kmほどを遡ることにしました。

私は小柄な女子高校生と療法士さんと、それもダッキーボートで組んだので、だいぶんと体力を使いました・・。

終わってカヌーを回収していると、男子は河川敷の草腹を走り回ってスライディングしたり、女の子の爽やかな笑顔にもあえました。 家に閉じこもって器械をパコパコ叩いているのではなくて、全身で自然を自分の身体を感じて遊ぶことにちょっとは目覚めてくれたかなと、その喜んでいる姿を見て、私も嬉しくなりました。3時間もかけて出張してきた甲斐がありました。

診療効果としても、間違いなくあるな、と病院側も実感してくれたのではないかな。 療後の病院からの報告が楽しみです。

良い一日でした。

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