
人形町とはいいながら、少し浜町よりに行くともう日本橋富沢町となる。今日の店はNTTピルの先を左折し、3件目あたり。炉端焼きの店『ヤマト』である。中にはカウンターと炉端が2つ、炉端一つあたり約10人が座れるようになっている。

何分この店のシステムも分からないまま席に着くとまあ少し暑いから生ビールを注文。

よく見ると炉端の中には3つのコンロ画あり、炭が燃えている。女性が色々な注文を受けて、炭を調節しながら焼いてくれるシステム。
まずはお通し、姫サザエの煮物と自家製トコロテン、なかなか美味く、期待が湧く。
刺身はわらさとかつをの叩きを単品で注文。わらさは比較的厚めに切ってあるが、身にハリがあり、大変旨い。鰹もかなり脂が乗り、たっぷりの野菜とニンニクがよく調和して美味しい。両方とも量はしっかりある。
次いで店お勧めの野菜は名物とうばん味噌をつけて食べる小大根、水ナスなどの盛り合わせ。肉味噌にピリ辛をつけた味で淡白な野菜によくあう。箸休めにはもってこい。

焼き物はまず、鮎の一夜干し。鮎の香りが残り、タデ酢をつけてもつけなくてもいい。次いでグリーンアスパラ、かなり見事なサイズだが、筋っぽくなく、根元ほど甘い。鮭のハラスは燻製してあり、良い香り、皮もパリパリしていて、ついつい酒が進む。


ただ、ツブ貝の串焼きはやや焼き過ぎの感があり、やはりハマグリの方が良かったかなあと悔やむ。

酒は冷で口開けは『ヤマトシズク』の純米酒を注文。秋田県大仙市の酒で辛く、しっかりした男酒。

次が『越の初梅』(新潟県小千谷市)は華やかな酒。更に『十右衛門』(東京都東村山市)は江戸の蔵の流れを組むだけにすっきりした味わい。と各種を飲んでしまうが、蕎麦猪口で供されるため、ついつい飲み切ってしまう。有名どころでは獺祭もあったが、他の酒は各地の蔵から取り寄せて、ご主人が飲んで気に入ったのを並べているだけのことはあり、なかなかのラインナップ。

さらに焼き物は朴葉味噌を注文、味噌の焼けたものと酒が合わないわけがない。葉っぱに穴が空くほど焦げた味噌をこそげてしまう。


面白かったのはきつねコロッケ、コロッケ種を開いた揚げに包み焼いたもの。アッサリしていてこれも酒に合う。

最後は漬物盛り合わせ、さらに皆で『ヤマトシズク』の吟醸を1杯ずつ飲んで終了。一緒に飲んだ2人も満足、まあ、この手の店は予想通りやや料金高めながら、サービスもよく、料理の工夫もされていて大満足で大団円となった。

ヤマト
中央区日本橋富沢町16ー3
0336618010