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『metroに乗って』その3。今回はこの企画では初の都営地下鉄、浅草線の終点である西馬込駅を取り上げる。よく都営浅草線の南側の終点を品川駅と勘違いしている向きも多いが、泉岳寺~品川は京浜急行の路線で終点はここ西馬込である。
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駅の歴史は古く、開業は1968年だから46年になる。この駅の先には都営地下鉄の検修場があるのみで(元は車両工場があったが、2004年に廃止)ある。駅から地上にあがると目の前に第二京浜が走り、そこから直角に馬込文士村商店街が広がる。
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周辺には(といっても歩くと11分かかるが。)池上本門寺以外に有名な名所もなく、正直なぜここを地下鉄の終点にしたのかという疑問が沸いてくる。
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気を取り直して、商店街に戻り、先にいくとまず左に『夢告観音』が祀られているので手を合わせる。
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さらに先にいくと左手に湯殿神社、先週の土日はお祭りだったようである。(山形県の湯殿山神社との関係は不明だが、江戸時代は羽黒権現社と呼ばれたらしい。)
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その先の馬込桜並木通りを横切り、左手を見ると何と畑⁈、里芋とネギが植わっている。ここは確か大田区のはずだが・・・?
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周辺にマンションや商店が途切れると大邸宅が点在、さらに坂を少し登ると右手に大田区郷土博物館。
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ちょうど『馬込文士村』の企画展を開催中。馬込文士村とは関東大震災後の大正後期から昭和にかけて都下荏原村に芸術家に混じり、文士達が集まり移り住んだ地域の呼称で今の地域表示では大田区馬込・山王・中央辺りの一帯である。早速、博物館の中に入り2階に上がると馬込文士村にいた人々のプロフィールや大田区との繋がり、住んでいた場所などを詳しく説明。それを一つ一つ見ていくが、まず、その数に驚く。尾崎士郎、広津和郎、川端康成、和辻哲郎、室生犀星、高見順、子母澤寛、稲垣足穂、藤浦洸、萩原朔太郎等著名な文士や芸術家が満載で、今をときめく村岡花子もこの近く(大田区中央)に居を構えていたようである。無料でこれだけの展示が見られるとは、勉強にもなり、また尾崎士郎のスケッチなど感動ものである。
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見学を終え、登り坂を回避して、もときた道を西馬込駅まで戻るが、やはり何故ここに都営浅草線の終点があるのかはわからぬ仕舞いだった。噂によれば池上線か目蒲線と接続する案も無いでは無かったが、なかなか東急や京浜急行との調整が付かず今の姿になったらしい。
それでも地下鉄のあまり下車したことのない駅には発見がやはりあった。