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鉄道シリーズ その79。今回は西武多摩川線是政駅を取り上げてみたい。それにしても西武多摩川線は不思議な線である。というのは西武鉄道の他の線から離れ、JR中央線武蔵境駅から8キロ先の何の連絡もない是政駅まで全く孤立している。かつては近くに別の線が通っていたが、今は廃止になったため孤立しているという訳でもない。
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そのため、西武鉄道にとっても保線や整備などで手間がかかるらしく、2013年に外資系ファンド・サーベラスから秩父線同様廃止候補にも上げられたこともある。また、パスモの導入までパスネットは使うこともできなかった。
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実はこの鉄道は1910年に多摩鉄道という会社が多摩川の砂利を運搬する目的で軽便鉄道として開業、1927年に西武鉄道(旧会社)に買収された。砂利を運搬する目的で作られた鉄道は多く、例えばJR相模線や東急玉川線(現、田園都市線)などもそうである。その後は1950年に電化されたが、1964年に多摩川の砂利採取が禁じられたあとは多摩霊園への墓参、多摩川競艇へのアクセスとして機能している。
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終点の是政駅は是政橋近くの場所にあるが、近くにバスターミナルや駅前広場など何もない。今ではなぜこの駅が終点かがわからないような静かな駅である。出口を抜けてまっすぐ行き、左に曲がるとすぐに多摩川の河川敷に出る。そして、その先に是政橋がある。
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この辺りは休みの日には河川敷の野球場に来る人やマラソンコースを走る人々で混んではいるが、その中に鉄道を使う人はあまりいないようである。ただ、今日のような秋晴れには多摩川に沿って散歩をするには絶好の位置にある。散歩コースを示す看板や1941年(昭和16年)まであった是政の渡しの碑も残されており、興味深い。
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鉄道に話は戻るが、隣の競艇場前駅から是政駅まではほぼ直線で写真を撮るにはうってつけである。(残念ながらあまりそういう人も見かけないが。)単線を101系の白い3両編成の電車が走る姿は東京の大手私鉄では珍しいのんびりした風景で、もう少し色々な場所を探して撮影したい線である。
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