『鉄道シリーズ』その267。机上旅行の2回目。以前は昭和39年9月の時刻表にあった循環列車についてブログに書いたが、さらに複雑怪奇な列車を発見した。それは岡山県の宇野駅(宇野線)〜博多駅を結ぶ『しんじ』という準急である。
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かなり分かりにくいのでじっくりと読んで頂きたい。準急『しんじ』は宇野駅0930発だが、この時点で準急『砂丘』鳥取行を併結、こちらは岡山で離れて津山線、津山からは因美線を経由して鳥取駅に1314到着する。
『しんじ』は岡山駅で『砂丘』を離した後、当駅発の準急『たいしゃく』を併結、伯備線を新見駅まで行く。『たいしゃく』はここから芸備線経由で備後落合、三次などを経由して広島駅に1539に到着する。
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新見駅で『たいしゃく』を分離後、広島駅から芸備線経由で来た準急『しらぎり』を併結して5分停車後出発する。(たいしゃくは広島行、しらぎりは広島発)米子駅に1330到着、ここで『しらぎり』は終着となり切り離す。単独となった『しんじ』は米子駅(厳密には一つ前の伯耆大山駅)から山陰本線に入り、松江駅1419、江津駅1624、益田駅に1730到着する。
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ここで3両は山口線に入り、小郡駅(現在、新山口駅)1922、山陽本線に入り2040に下関駅に到着、山陰本線経由の『しんじ』を待つ。
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残りの2両は山陰本線経由で東萩駅1841、長門市駅1911、下関駅2049と走る。ここで再び併結して2055に発車、関門トンネルを越えて博多駅には2217に到着、合計12時間47分も走ることになる。
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列車編成は詳細は分からないが、5両編成で前3両が山口線周り、後ろ2両が山陰本線周りであり、『砂丘』は後ろに3両、『たいしゃく』は後ろに1両、『しらぎり』は前に3両を併結していたらしく、最も長い編成でも気動車6両で走っていたようである。
つまり、併結した準急が3つ、分離した準急が3つ、さらに編成を2つに割って下関駅を目指すなどかなりマニアックな準急である。
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因みに当時、同じように宇野駅を0952の各駅停車に乗ると岡山駅に1055、ここから急行『筑紫』1104発に乗っても博多駅には1950にしか到着しないため、思ったほど時間は変わらないのであるが。
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ここで現在の時刻表を見てみる。まず宇野線はほぼ1時間に1本、通勤時間は2〜3本は走っているが、全て各駅停車、ブルトレの『瀬戸』(東京〜宇野)が走っていた頃の面影もない。津山線も1時間に1〜2本、快速はあるが有料特急はない。因美線は1日に10本、しかも智頭までしか行かない。
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伯備線は1時間に2〜3本、しかも『特急やくも』(岡山〜出雲市)が1時間に1本走っている。山口線は益田〜新山口では1日10本、しかし『特急スーパーおき』(米子〜新山口)は1日3本走っている。
一方、山陰本線の益田〜下関は1日8本、しかも長門市駅より先は乗り換えないといけない。かつては『特急いそかぜ』(米子・益田〜小倉・博多)も2005年3月の改正で廃止され、山陰と九州を結ぶ特急は無くなったのである。
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一方、山陰本線の益田〜下関は1日8本、しかも長門市駅より先は乗り換えないといけない。かつては『特急いそかぜ』(米子・益田〜小倉・博多)も2005年3月の改正で廃止され、山陰と九州を結ぶ特急は無くなったのである。