『切手シリーズ』その78。国勢調査の制度が始まってちょうど100年、その記念切手が発行される。第1回が1920年、今回で21回目となる。国勢調査は統計法という法律を根拠法(ほかに国勢調査令、国勢調査規則も定められている)に5年ごとに行われ、うち5年目が小規模調査、10年毎に大規模調査が行われてきた。因みに第1回の日本の人口は55.9百万人だったが、前回の2015年の調査では127百万人、ただ、その前の2010年調査から百万人ほど人口は減ってきている。
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第1回国勢調査が行われた1920年にはこれを記念して1銭5厘と3銭の同じデザインの記念切手が発行された。そのデザインはカタログによると『大化元年の国勢調査にあたった国司・想像図)』とある。これに関して調べると総務省統計図書館の方が書いた資料に『帝室博物館・高橋健自の考証、図案は逓信博物館の樋畑雪湖の作』とある。さらに日本郵便切手史論には当時の国司の衣装を再現してモデルを作成した写真が残っているのである。また、字は正倉院古文書中大宝年間の戸籍の中より拾字したらしい。
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第2回国勢調査が行われたのが1930年、この時も記念切手が発行されているが、デザインは『日本地図(当時)』とある。見るべきは描かれている地図。今の日本地図よりかなり広い。日露戦争後に日本が領土を広げ、朝鮮半島、南樺太、千島列島、台湾などにも領土を示す色が塗られているのである。
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次に記念切手が発行されたのは第10回国勢調査が行われた1965年9月。10円切手の図案は『日の丸と人口を示すこけし』と何を意味しているのかよくわからないものであった。因みにこの辺りの記念切手は評価も低く、売価で20円しかしない。
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1995年にはなぜか唐突に『第16回国勢調査記念』という記念切手が発行されている。国体のように毎回発行されるのであればわかるが、不思議なタイミング。しかも『16と国勢調査の字をデザイン化したもの』という芸のないものである。
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そして9月1日に『国勢調査100年』を記念して5種類の記念切手が発行、また、シートも変形でうち1枚には国勢調査を推し進めた杉享二、大隈重信、原敬の三人の肖像が描かれている。
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つまり、今回も含めて5回も記念切手が発行される重要な出来事であるが、国民の認識は低い。しかし、その重要性をより認識して今回調査に臨むこととしたい。