『改めて日本語を考える』その37。今回は鉄道で聞くアナウンスについて考える。毎日通勤しているとたまに駅のアナウンスの不思議さが気になって仕方がないことがある。
現在、利用しているのは井の頭線。この路線には普通(各駅停車)と急行しかない。吉祥寺方面であれば渋谷を出た急行は一本前に出た普通を途中の永福町駅で追い越す。その際に急行が発車した後の普通電車に『永福町まではこの電車が最も速く到着致します』というアナウンスが必ずある。しかし、急行と普通しかないのだから『各駅停車が永福町までは先の到着になります』で済むはずである。
もう一つ不思議に思うのは電車が発車する際に『ドアが閉まります』と必ずいうが、『閉まります』は何もせず、勝手にドアが閉まることを指す。本来ならば(私が)『ドアを閉めます』のはず。車掌がドアを閉める役割なのであり、勝手にドアが閉まってしまう訳ではないのである。
最後に2月のある金曜日、東京モノレールに乗車していた際の若い車掌さん。親切心を持って『明日の土曜日には雪が予定されておりますので不要不急の外出はなさらないようご注意下さい』とのアナウンス。始めは私も尤もなことを言っているなと聞いていたが、何かおかしい。
それは『雪が予定されている』という表現なのである。『マラソン』のような行事が予定されているのは分かるが、『雪』は天気予報が出ているに過ぎず、予定ではない。本来ならば『雪が降る虞があります』と言わなければおかしい。
やはり、これが日本語の難しさなのかもしれない。