虎ノ門で昼となった。近年は再開発があり、昔ながらの街の風景は随分変わったが、虎ノ門大坂屋砂場のクラシカルな建物だけは変わっていない。しかし、虎ノ門に来るたびに砂場では芸がないと新規開拓することにした。

(虎ノ門砂場)
一筋隣の道を歩くと飲食店が並ぶ一画がある。人が並んでいたのはお隣の2階にある『ガン爺』というカレー屋さん、そして『手打ちそば遊喜』という静かなお店。

中に入ると小さな店ながら満員、ちょうど1席だけが空いていた。おかみさんが『狭くて申し訳ありません』とおっしゃったが、空いていてラッキーである。

手打ちそばが売りの店のため、今日は寒いが、もりそばのラインナップからメニューを選ぶ。『たぬきぶっかけ〜煮椎茸入り』にも惹かれたが、穴子せいろ(1400円)の値段を見て、これに決める。

周りを見てもやはりもりそばを食べる人が多い。隣の人が席を立つとおかみさんが『少し広いので奥へどうぞどうぞ』と言ってくれ、その通りにする。店は新しいがグルメサイトで調べると前の店のビルが取り壊しとなり、2021年に移ってきたとのこと。

少し待つとトレイに蕎麦と天ぷら、そば猪口ともう一つ器が乗っている。添えてあるのが、細く切って晒した刻みネギ、本わさび。丁寧に作られている。

まずは麺からいただくが、やや太めの二八蕎麦、喉越しが素晴らしい。打ち立てをすぐお召し上がりくださいというのがよくわかる。蕎麦つゆも江戸前の割には大人しめでやや甘口、好みである。


天ぷらは二つに切った穴子、野菜はにんじん、茄子、山芋である。茄子はふかふか、穴子はツユが塩か悩むが、ツユで頂く。からりと揚がっていて上品な白身の旨さを感じる。山芋はサクサクと歯触りがいい。

蕎麦は盛りがいいと思っていたが、あっという間に食べ終わり、300円足して大盛にしなかったことを後悔した。カウンターは6人、テーブルを入れても20人は入れない店をご主人とおかみさんで切り盛り、心遣いも嬉しい店であった。


夜は予約のみ、1人4800円からのコース料理、鴨鍋のコースは6800円。リーズナブルなお店であった。ご馳走さまでした。
手打ちそば遊喜
港区西新橋2ー13ー1
0335920012