コロナ禍以前はよく四谷三丁目界隈で呑んでいたが、最近はやはり回数も減った。久しぶりにゆっくり板前さんの腕が楽しめるような店のカウンターで前の職場で一緒だったOくんと一献を傾けることにした。
『舟町一期』という店は杉大門通りをまっすぐに行ったところにあるビルの2階にある。外の看板を頼りに歩く。もうこの店に来るのも2年ぶりである。それほど広い店ではなく、しかも今日は10人近い予約が入っているとのこと。
ほぼ時間通りにスタート、まずは生ビールで乾杯する。お通しは鱧の卵の寒天寄せ、見た目も涼しげである。味は薄味、関西風であった。
刺身の盛り合わせは2つの皿に分かれていてまずは『鱧の落とし、梅ジュレ掛け』、こちらも涼しげ。久しぶりに鱧の落とし(生の鱧をお湯に潜らせ、冷水で締めたもの)を頂いたが、梅の効いたポン酢味は鱧と相性が素晴らしかった。
2つ目の刺身の盛り合わせは『鰹の腹皮』『キンメ・鰆の皮の炙り』『鱸の昆布締め』いずれも一仕事加えてある。昆布締も炙りも塩で頂くがお酒をすぐに注文した。
始めに頂いたのが『加茂錦』(新潟県)。単桿渡船は渡船という酒米を品種改良して丈を低くした米の種類である。味わい深い仕上がりもなっている。
『カツオのたたきサラダ仕立て』はカツオのたたきを野菜の上に並べ、ポン酢ジュレを掛けてあるが、これをさっぱり頂く。
『鳥つくね』は笹の葉に巻いて登場。ほんのり味噌が香り、軟骨を叩いて加えてあるので食感がいい。酒は『豊香』(長野県)、金門錦という長野県独特の酒米なのだが、よく膨らむ。
『鮎のうるか焼き』、鮎を焼いた身にうるかのほんのり苦味のあるソースを合わせ、さらに中骨は揚げて同じソースを纏わせている。色は悪いが、味は素晴らしい。酒にピッタリ、誠の大人の味わいである。
さらに『鶏の唐揚げ』、いわゆるチューリップを醤油と酒のタレに漬け込み、揚げてある。熱々がたまらない。
酒は『天青』(神奈川県)、米は雄町。ラベルが素晴らしいだけでなく、白こうじ仕込みで香りも味も爽やかな酒であった。
最後に『エビパン』、エビのすり身を食パンに挟み揚げたもの、もうカロリーなどどうでも良くなって頂くが、身体に悪そうなものはうまい。ただ、当然ながらこれで満腹、よく飲みよく食べた。ご馳走さまでした。
舟町一期
新宿区舟町5ー25 TSIFUNAMACHI3階
05059339777