『東京の坂、日本の坂』その121。今回は四谷駅から曙橋駅まで坂道を歩きながら散歩してみた。東京メトロ丸の内線四谷駅の記憶は多分幼稚園頃、荻窪から乗った地下鉄が真っ暗いなかから急に地上に出て、なぜ地下鉄の駅が地上にあるのか、という疑問を持ったというものである。
四谷駅を降りて外堀通りを渡り、新宿通りを行く。左手のファミレス・ジョナサンを左折すると急に住宅街になる。少し先にはソロバンで有名なトモエそろばんの本社、今年で100周年らしい。
突き当たりは西念寺というお寺、この寺には服部半蔵が家康より拝領した槍があると言う歴史のある寺院。
右に曲がると左手に坂道が現れるがこの坂が『観音坂』、お隣の真成院との境の道で、真成院は潮踏観音で有名であったため、名前がついたもの。
坂を降りて右に曲がるが、この新宿通りに並行する道は比較的広い。次の交差点を左に行くと四谷の総鎮守『須賀神社』の階段下に出る。そのまま登る階段が男坂、先の踊り場のある坂が女坂である。
須賀神社は須賀大神と稲荷大神が祀られた神社。1634年に赤坂の稲荷神社を江戸城の外堀普請の際にこの地に移し、さらに大伝馬町の総鎮守で神田明神の摂社に祀られていた牛頭天王と合祀、明治初めに今の名前となったのが由来である。祭りが有名であり、神輿の倉が並び、新しい所ではアニメ映画『君の名は』の舞台の一つにもなった場所である。
私は女坂を上り、参拝し、境内の梅をめでた後、男坂を下り、元の道まで帰る。反対側に上る坂が『東福院坂』、これは坂の途中にある寺の名前に由来するが、別名が天王坂。これは須賀神社に祀られた牛頭天王に由来する名前である。(以下、次回)