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府中市で最も著名な寺社と言えば大国魂神社であろう。京王線府中駅を降りると欅並木がまっすぐ続き、その先に馬場大門。ここからが参道となる。
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歴史は古く、景行天皇41年に大国魂大神が降臨し、それを郷民が祀った社が起源とされる。(ちなみに景行天皇は日本武尊の父で143歳まで生きたとされる)645年の大化改新の際に武蔵国府が境内な置かれ、社を国衙の斎場とし、国司が奉仕して国内の祭祀を総括する社になった際に武蔵総社の起源となった。元々、府中の名前は武蔵国の国府があったことを意味しており、武蔵国一宮から六宮までを合わせて祀っている。
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府中に来たならと大国魂神社にお参りに行く。府中駅から欅並木を通って行くのが普通だが、今回は御殿坂を上り、右の駐車場の方からお参りした。裏口から入るようだが、まず驚いたのは杉の大木が何本も並んでいてそのてっぺんが見通せないほど。この神社には松は一本もなく、昔から杉が植えてある。
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境内に入ると住吉神社や大鷲神社、東照宮、松尾神社などの末社が並んでいる。こちらにもお参りした後、さらに行くと本殿の横にでる。
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本殿は1667年に作られた一棟三殿の銅板葺、堂々とした建築物である。参拝した時には広い本殿の真ん中に東京の地酒が9本奉納されていた。
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本殿を後に朱塗の中雀門を出ると鐘楼のような建物を発見。しかし、ここは神社のはずと近寄るとこれは『鼓楼』であり、内部に太鼓を懸けて時間を知らせたもの。
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慶長年間に本殿造営の際、三重塔と対比して作られたが、1646年の大火で焼失、200年経った1854年に再建されている。鐘楼はよく見るが、鼓楼とはなかなか珍しい。
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隋神門は平成23年の神社1900年記念に改築された新しい門で正面には『豊磐間戸命』『櫛磐間戸命』の戸の神様の木像が並ぶ。では裏にはと思って見ると恵比寿様・大黒様の木像が鎮座している。
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さらに大鳥居、一番外側には馬場大門となる。その間に手水社、軍艦多摩戦没慰霊碑、日露戦役記念碑、相撲場などあるが、境内が広いため、それほど気にならない。
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広くて両側に並ぶ杉並木を見るだけでこの神社のスケールの大きさがわかる。奇祭『くらやみ祭り』の開催はいつの事になるのであろうか。
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