人形町の飲食店は長く続いている店とコロコロ経営が変わる店がある。私も10年以上人形町に勤め先がある関係でウロウロすることが多いが、事務所から3分のところにある蕎麦屋仕様のお店が遂に3代目となった。
(花乃蕎麦)
(風鈴草)
元は『花乃蕎麦』という女主人がお蕎麦を打つという店だった。しかし、ご主人が高齢に加え、腰痛がひどく、何回も休業しながら続けていたが、コロナ禍の終局で閉店となった。居抜きで入ったのが、『風鈴草』。開店は23年6月で蕎麦定食と言って普通の定食メニュー(コロッケ、生姜焼きなど)と炊き込みご飯、せいろがついて1100円というメニューが斬新だった。しかし、1年も持たずに閉店。同じ場所に『鶴屋』というお蕎麦屋さんが先月オープンした。
店に入ると入り口には胡蝶蘭、しかし、それ以外は風鈴草当時と全く同じ、いわゆる居抜きである。店内は1組、4人席に2人で座る。メニューを見ると一般的なメニューはほぼあるが、お得なセットなどはない。
私はざるそば大盛(850円+200円)、Mさんはごまだれせいろ(1000円)を注文する。
暇なのでメニューをパラパラとめくって見るとそぱ前や一品料理が充実、全体的にやや高めだが、近年他のお店も値上げしているからこんなものかもしれない。また、お酒も種類は多く、メインは夜とは見たが、それだけの客数を呼び込むのには特徴がないのではなどと余計な心配をしてしまう。
蕎麦到着、私のざるそばにはたっぷりの海苔、それも短冊に細く切った海苔ではなく粉を大きくしたようなアオサのような海苔がかけられている。蕎麦を頂くと海苔の少ないところは蕎麦ならではの良い香り、海苔がたっぷりなところは海苔の良い香りが感じられ、それはそれで美味い。
邪道と言われるかもしれないが、海苔たっぷりのざるそばも悪くない。麺はやや茶がかった手打ちの二八蕎麦、喉越しもよく、打ち立てだろう。かなり美味い方の部類に入る。
ツユもたっぷり、食べ終わったあとに、そば湯を十分楽しむことができた。まだまだ、店のスタッフは慣れておらず、配膳も会計もぎこちないが、一生懸命やっているところがいい。ご馳走さまでした。
ただ、値段の話をすると普段使いの店より少し高く、立ち食い蕎麦の倍以上、メニューの工夫をするとか、サイドメニューのカレーやフライドチキンなどで店まで来たくなる特徴が欲しいところである。ご馳走さまでした。
鶴屋
中央区日本橋堀留町1ー6ー5
05055938758