三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

天皇賞 秋

2006年10月29日 | 競馬
 まだ秋の天皇賞が府中の3200メートルだった頃、柴田政人鞍上の牝馬プリティキャストが大逃げを打ってそのまま逃げ切ったり、ホウヨウボーイとモンテプリンスが直線でマッチレースを演じたりと、それなりに見ごたえのあるレースが展開されたものです。グレード制が導入され秋の天皇賞が2000メートルに短縮された最初の年に、前年の三冠馬ミスターシービーがレコード勝ちして東京競馬場は大いに盛り上がり、距離短縮は成功であったように見えました。しかし府中の3200メートルという紛れの少ないコースでの大レースがなくなったことに一抹の寂しさを覚え、同時に今後もアメリカ型の短距離路線が充実してくるんだろう、それに反比例して長距離戦が少なくなったり格を下げられたりしてしまうんだろうな、と思いました。そしてまさにその通りになりつつあります。今後の日本の馬はドバイやアメリカで勝ててもヨーロッパで勝てないような底力に欠ける馬ばかりになってしまうかもしれないと、ちょっと心配です。

 しかし2000メートルになってからの天皇賞も毎年のように面白いレースとなっており、お陰でほとんど馬券が当たりません。シンボリルドルフが「あっと驚くギャロップダイナ」に差しきられたり、6馬身差で1位入線したメジロマックイーンが失格になったり、サイレンススズカが故障してそのまま予後不良となってしまったりと、よく言われるように「府中の2000メートルには魔物が住んでいる」のかもしれません。変わった記録もあって、この10年間では同じ馬が必ず2年連続して連帯したりしています。

バブルガムフェロー(1着、翌年2着)
ステイゴールド  (2着、翌年2着)
テイエムオペラオー(1着、翌年2着)
シンボリクリスエス(1着、翌年1着)
ゼンノロブロイ  (1着、翌年2着)

 今年は入れ替えの年なので去年来た馬は来ない順番です。と言っても去年の1、2着馬は今年は出走して来ないので、この法則自体に何の意味もありません。もしかしたら去年の3、4、5着に来た馬あたりが怪しいかも、なんてぼんやり思ったりしています。
 今年の天皇賞は特別に「悠仁親王殿下御誕生慶祝」というサブタイトルがついているので、それに何か関係のある馬券が来るかも、とは巷でよく囁かれているところです。
 ミスターシービーの翌年から3年間はギャロップダイナ、サクラユタカオー、ニッポーテイオーというマイラーが勝っていて、府中2000メートルはマイラー向きなのか、と思っていたらその翌年からはタマモクロス、スーパークリークという天皇賞馬菊花賞馬が勝ったりして、ステイヤーでも大丈夫な距離なのかと、焦点の絞りにくい分かりづらいレースであることが判明しましたが、大まかな傾向としては、
 マイラー有利
 ステイヤーでもGIで活躍する超一流馬なら通用する。
 ということになろうかと思いますが、ではステイゴールドのような馬はどうなんだと聞かれると例外の1頭としか言いようがなくなりまして、できれば深く追及しないで戴きたい。要するに秋の天皇賞は予想の難しい、馬券の当てにくいレースであると、それだから逆に面白いレースになっていると、そういうことであります。

 さて、今年の天皇賞のよそうですが、もう午後3時を回りましたので早く決めないと買いそびれてしまいます。パソコンで買うので出走5分前までは大丈夫ですけど、あまりぎりぎりも嫌ですしね。
 かつて大川慶次郎さんが言っていましたが、「天皇賞はテンも速く、しまいも速い」レースなので、スピードと最後の直線での瞬発力が要求されます。
 今回のメンバーだとペースはあまり速くなりそうにないので、直線のヨーイドンに向いている馬が有力ということになります。そうなるとどの馬がジリ脚なのかを見極める必要がありますが、これまで使ったことのない脚を使う馬というのもかなりいるので、非常に見極めづらいものがあります。そこでこれまでのレースのデータと印象から、

カンパニー、サクラメガワンダー、トリリオンカット、コスモバルク、インティライミ、ファストタテヤマ、ハットトリック、グレイトジャーニー、ローゼンクロイツの9頭は切れ味で劣ると見てバッサリ切り捨ててしまいます。残った8頭のうち、面白そうなのは、

脚質を転換したローエングリン
前走13着で人気を落としたかもしれないアサクサデンエン
その弟でサンデーサイレンス産駒のスウィフトカレント
全成績5413でまだ底を見せていないオースミグラスワン

この辺りを穴馬と見て馬単か三連単で勝負したいと思います。馬券の締め切りまであと少しなので、結果についてはまた後日。