ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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バイト給与額、親の控除対象内に…サイゼリヤ店長改ざん

2008-12-08 19:37:52 | Weblog
バイト給与額、親の控除対象内に…サイゼリヤ店長改ざん 2008年11月29日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081129-OYT1T00446.htm
 ファミリーレストランチェーン「サイゼリヤ」(本社・埼玉県吉川市)の複数店舗で、アルバイト店員らが親の扶養対象などから外れないようにするため、別の店員に給与を払ったように装い、給与収入が年間103万円を超えないように工作していたことがわかった。
 同社は「店長の独断だった」としているが、6年間で少なくとも7人に対して同様の不正があり、全国約770店舗の実態調査を始めた

 納税者は、生計をともにする配偶者や子など親族の給与収入が年間103万円以下であれば、課税所得から一定額(最低38万円)が控除され、納税額が減る。給与の支払者は103万円を超えた分の所得税を源泉徴収して、納税しなければならないため、所得税法の源泉徴収義務違反に問われる可能性もある。
 同社によると、横浜市内の店舗で今年8月、アルバイトの男子学生(21)が親が扶養控除を受けられなくなることを理由に、店長(31)に「あまり働けない」と申し出た。
 人手確保のめどがつかなかった店長は「休職中のアルバイト店員の名義で働けば大丈夫」と付け替えを提案。勤務データを改ざんして、休職中の店員名義の口座に給与を振り込んだうえ、この店員に引き出させて学生に手渡していたという。
 社内調査の結果、この店長は昨年から今年にかけ、ほかの3人の店員についても、親や夫が扶養控除や配偶者控除を受けられるように勤務時間の少ない店員の名義を借りて不正を繰り返していたことが判明した。店長は「罪の意識はあったが、休まれると困るのでやってしまった」と話しているという。
 同社では2003年に愛知県、07年に神奈川県の店舗でも付け替えが計3件発覚。対象の店員への給与額は計算し直し、新たに所得税が発生した分は源泉徴収し、納税した。店員の親に対しては同社から事情を説明し、扶養控除の対象から外す手続きをするように依頼したとしている。
 サイゼリヤ組織開発室の話「社員教育が甘かった。再発防止を徹底したい」



 ピザへのメラミン混入騒動に始まって、ディリバティブ取引での巨額損失が発覚するなど、企業内不祥事が続出しているサイゼリヤですが、今度は、年収103万円を超えて扶養控除を外れるような働かせ方をさせていたにも関わらず、本当は休職している従業員が働いていたとにして、求職者名義の口座から店員が現金を引き出して、働き手にその分のお給料を手渡すといった手口を繰り返していた店舗があることが発覚しました。
 まあ、外食産業やスーパーのような労働集約的産業の場合、(最近こそ急激な消費不況で状況も変わってきましたが)真っ先に人手不足に陥る業種ですし、一昔前ならばこのような行為もあちこちで行なわれていたのではないかとも思うのですが、今は労働者の権利も強く主張される時代。
 万が一にも労災事故が起きてしまった日には、最悪その方名義の賃金水準で保障が算定されかねないことから、当の従業員から内部告発されるケースもあるでしょうし、所得税の源泉徴収義務違反もさながら、今回のケースでは、未来のあるはずの学生さんが将来就職した時にも、『あ~この程度の不正は許されるんだ…』とモラルのない人間になり、不正の連鎖を引き起こしてしまわないかが何よりも心配です。

 それにしても、私が親元を離れて進学する時には、父親と『アルバイトしすぎて年収100万円(当時のボーダーライン)超えるなよ!』『へ? なんで?』『100万円超えたらこちらの税金が高くなるんじゃ!』『ふ~ん 毎日学校行っているのに(家庭教師でもやらなければ)時給600円台でそんなに稼げるわけないやん!』といった会話をした覚えがあるのですが、今の親御さんは、親元を離れる子供にそういった社会の基本ルールというのも教えてくれないものなのでしょうか???
 こういった不正行為を自ら行なう会社に限って、一度問題が起きたら、(自己保身のために)従業員が泣き寝入りする形で、全てをウヤムヤにしてしまうことが多いものですし、『学費のことは心配するな』という方針でも、年収130万円を超えたら独自に健康保険料や国民年金保険料を払わなければならないこと、年収103万円を超えても親の側の税金が増えてしまうことくらいは雑談レベルで会話してもよいと思いますし、そんな社会のルールをわかりやすく教えていくのも親の務めだと思うんですけどね…。

麻生首相:「7割ぐらいの宗教は労働は罰」天草で持論披露

2008-12-08 19:31:21 | Weblog
麻生首相:「7割ぐらいの宗教は労働は罰」天草で持論披露 2008年12月8日 
毎日 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081208k0000m010080000c.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20081208AT3S0701507122008.html
 麻生太郎首相は7日、視察先の熊本県天草市内のホテルで演説し、高齢者の就労問題に関連して「世界中、労働は罰だと思っている国の方が多いんじゃないの。7割ぐらいの宗教の哲学は労働は罰だから」などと、独自の宗教観、労働観を披露した。
 そのうえで、日本人については「我々は働くというものは正しいと思って育ってきた。(日本では)神々は働いていたんだから。神々が行うなら善行に決まっている」と指摘。「労働は神が与えた罰と思っている国と、神と一緒にやる善行と思っている国では、労働に対する哲学が違う。それが日本の持っている底力」と述べた。



 またこの人は余計なことを…。 独自の哲学を持つのは勝手ですが、現役総理の発言となると、なにかと問題になることもありますし、まして宗教が絡めば外国からの批判を受けることもあるというのに、この人は本業が大変だというのに、一体何をやらかしたいのでしょうか…。
 それに天草と言えば、かってはキリスト教徒の弾圧が行なわれた地域。おそらく宗教の話もそのあたりから出たのだとは思いますが、その宗教を信じている方から見れば、教義をけなされることは自身を否定することにもなりかねないというのに、ホント余計なことは言わないで欲しいものだと思います。
 
 麻生さんには、つくづく 『他にやるべきことが沢山あるんじゃないの?』とつい言い返したくなりますね…。

米メディア大手、トリビューン破産申請か LAタイムズなど発行

2008-12-08 19:27:30 | Weblog
米メディア大手、トリビューン破産申請か LAタイムズなど発行 2008年12月8日 
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/world/america/081208/amr0812081037004-n1.htm
ダウ・ジョーンズ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081208-00000016-dwj-biz
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081208AT2M0800108122008.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081208-OYT1T00378.htm
 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は7日、ロサンゼルス・タイムズ紙などを傘下に抱える米メディア大手トリビューン社(本社・シカゴ)が週内にも破産法適用を申請する可能性があると報じた。同社が申請に踏み切れば、長く続いている米新聞業界の低落傾向を決定づける動きとなりそうだ。
 ジャーナル紙によると、トリビューン社は日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条適用申請に傾いているという。また、ニューヨーク・タイムズ紙もトリビューン社の動きについて同日、申請を回避するため、金融顧問として投資銀行や法律事務所を雇って懸命の努力を続けていると伝えた。
 一連の報道を受け、傘下のシカゴ・トリビューン紙は電子版で、金融顧問を雇ったことを確認するとともに、「あらゆる選択枝を検討しているが、まだ決定はしていない」とする同社のコメントを伝えた。
 トリビューン社は、2007年末にシカゴの不動産王、サム・ゼル氏に買収されたが、その後の不況のあおりで予定していた資産売却が思うように進まず、経営難は収まっていない。最近ではロサンゼルス・タイムズ紙が250人にも及ぶ大量の人員削減を行うなど、低迷が続いている。
 同社は、ロサンゼルス・タイムズ、シカゴ・トリビューンなど複数の新聞や地方テレビ局のほか、福留孝介外野手が所属する大リーグ・カブスを保有している。うち、カブスについては来シーズンまでの売却を表明している。



 アメリカで経営破綻する可能性が高いといえば、なんと言ってもビッグ3に注目が集まっていると思いますが、実はロサンゼルスタイムズやシカゴ・トリビューンなどの新聞や地方テレビ局、そして大リーグで人気チームのシカゴカブスも所有するトリビューン社も、週内にも破産法を申請する可能性が高まっているようです。
 日本でも、地方新聞が夕刊の取り扱いをやめたり、中日新聞系で夕刊専門誌だった名古屋タイムズが休刊に追い込まれ、大手新聞社の一角も赤字に転落するなど、新聞社経営は中々厳しいものがありますが、トリビューン社といえば、アメリカ合衆国の中西部における主要な新聞社で、その前身となる新聞社が創業したのは1847年と150年以上の歴史を持つ老舗中の老舗。
 まあ、日本の大リーグファンから見れば、シカゴカプスの売却先の方が余程気になるのかもしれませんが、もし大手新聞社が破産法を申請ということになれば、地域に与える心理的影響も大きいでしょうし、日本ではアメリカよりもインタネットプロバイダーの常時接続料金が高く、将来的にはますます新聞を読まない層が増える可能性が高いだけに、とりわけ元ネタを大手新聞社から供給してもらい、地元ネタを加えて販売している地方新聞社にとっては、この経営危機は決して他人事には思えないのではないでしょうか。

太洋興業が民事再生手続き開始、負債総額148億円

2008-12-08 19:20:30 | Weblog
太洋興業が民事再生手続き開始、負債総額148億円 2008年12月8日
ロイター  http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK020544720081208
 太洋興業は8日、東京地裁に民事再生手続き開始の申し立てを行い、受理されたと発表した。負債総額は148億3300万円。
 同社によると、原油価格の高騰やサブプライムローン問題、高齢化による農業就業人口の減少などの影響を受けて、売上高が減少した。さらに2008年11月、社内調査チームによる調査により、連結ベースで約25億円におよぶ不適切な会計処理があることが判明した。
 ジャスダック証券取引所は8日、民事再生手続き開始を受けて、同社株を2009年1月9日付で上場廃止すると発表した。
 


 太洋興業というのは、ビニールハウス用フィルム等の農業資材・包装材・土木資材を提供している従業員200人強の専門商社で、人工苗生産装置に特色があったのですが、平成4年9月期のピーク時には年間約380億円を計上していた売上高も、平成19年9月期には約219 億円とピーク時の6割以下に減少。
 今年の11月12日には、『不適切な会計処理がある』との疑惑から社内調査チームを設け、11月16日の臨時取締役会で外部の弁護士・公認会計士による社外調査委員会を設置したものの、27日に監査法人から『棚卸資産および売掛金に架空計上等の不適切な会計処理がある』との指摘を受け、その監査法人は12月1日に(11月28日付けで)監査契約解除の申出。そのまた1週間後の12月8日には、信用の毀損が著しいと 実にあっけなく民事再生法の申請となってしまいました。
 それにしても負債総額は直近の売上高の3分の2強にあたる148億3300万円…。株価的にも、粉飾疑惑が出た頃から、100円前後と元々低かった株価が急落し、8日時点で(なぜか前日比1円高の)26円で終了と、はっきり言って見切られた状態。
 株主名簿の大株主欄(http://www.ullet.com/7449/stock.html)を見ても、東明興行という19.59%を保有する筆頭株主と、三菱グループが目立つ他は、太陽興行や従業員持株会及び関係者と思われる個人株主で6割近い株式を保有しているのが現実なんですよね…。
 そんな借金まみれで株主数もそれ程多くない会社ならば、『民事再生法を申請することに一体どんな意味があるのだろう?』などと私などはついクビを傾げたくなるのですが、(冷たい言い方になりますが)社内の人間が信用できない以上は、三菱グループが存続の可否を決めるしかないと思いますし、必要ならば三菱系の商社で事業の一部と必要な従業員の一部を引き取ったらいいだけのことではないでしょうか…。

インドが1%の利下げ 付加価値税を一律4%引下げも…

2008-12-08 15:58:46 | Weblog
インド中銀、1%利下げ 10月以降3回目 2008年12月7日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081206AT2M0602B06122008.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081207k0000m020022000c.html
 インド準備銀行(中央銀行)は6日、短期金利の指標となるレポ金利(市中銀行への貸出金利)を現行の7.5%から1%引き下げ、6.5%にすることを決めた。8日から適用する。利下げは10月以降だけで3回目。銀行による個人・企業への貸し出しを促進することで減速が鮮明になっている経済の活性化を狙う。
 同時に市中銀行が中銀に資金を預ける際のリバースレポ金利を6.0%から5.0%に下げる。リバースレポ金利は約5年ぶりの引き下げ。
 貸し渋りに直面している中小事業者を金融面で支援する施策も打ち出した。政府系のインド小規模産業開発銀行(SIDBI)に700億ルピー(約1400億円)を新たに供給し、貸し出し余力を拡大する。準備銀は6日の声明で、今回の利下げなどが「需要を拡大させ、経済成長の減速を抑えるだろう」と指摘した。

印政府、最大3800億円の経済対策 同時テロで景気下振れ懸念 2008年12月08日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081207AT2M0700R07122008.html
 インド政府は7日、最大2000億ルピー(約3800億円)の追加支出や付加価値減税を柱とする経済対策を発表した。金融危機による成長減速を受け、政策の基本方針をインフレ対策から景気刺激に転換する。先に商都ムンバイで起きた同時テロを機に景気の下振れ懸念が一段と強まっているため下支えを急ぐ。
 追加支出は2009年3月末までの今年度の補正予算案として公表した。具体的な支出項目は示していない。政府は声明で「大幅な歳出増による景気刺激は09年度も必要になる」と指摘した。
 消費刺激策として、標準税率が14%の中央付加価値税(CENVAT)を今年度末まで一律4%引き下げる。低所得層などの住宅取得を促進するため、国営銀行で上限200万ルピーの住宅ローンの貸し出しを増やす。



 ほほぉ…。インドと言えば、中国と異なり 国にお金がないため、大幅利下げまでは予測してはいましたがが、経済対策まで打ち出してくるとは予想外でしたね。
 ちなみに、インドのGDP成長率は過去3年間の9%台から今年の7ー9月期は7.6%に鈍化し、SENSEX指数も前年比で50%ほど下落。とはいえ、今年度末という4ヶ月限定とはいえ、中央付加価値税(消費税)の標準税率を14%から10%まで一気に引き下げるというのは、いくら新興国とはいえ、未だに7%台の経済成長率を維持している中、中々できない勇気のある行為だと思いますし、同時テロの影響で、景気の低迷が続きそうな商都ムンバイ(旧ボンベイ)への景気刺激策が急務となっているという背景があるとはいえ、正直ここまで大胆な行動を取ってくるとは思いもしませんでした。
 ちなみに、付加価値税の引下げで先行したイギリスの下げ幅は2.5%(標準税率を09年末まで17.5%→15%に、12月1日から09年末までの期間限定で実施)。イギリスでは付加価値税引下げの財源として、年収15万ポンド(約2175万円)以上の高額取得者に対しては税金を引き上げたようですが、それ以上の引下げ幅となるインドでは、高額所得者層そのものが少ない中、足りなくなる財源をどのように補うつもりでしょうか…。

日経平均、3日ぶり反発 終値411円高の8329円

2008-12-08 15:47:09 | Weblog
日経平均、3日ぶり反発 終値411円高の8329円 2008年12月08日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081208NTE2INK1008122008.html
 8日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3営業日ぶりに反発した。大引けは前週末比411円54銭(5.20%)高の8329円5銭。心理的節目の8000円台を3営業日ぶりに回復し、1日以来1週間ぶりの水準に戻した。前週末の米株式相場が、11月の雇用統計が厳しい内容だったにもかかわらず大幅上昇したことを好感し、幅広い銘柄が買われた。日経平均は前週に下げ基調だったため、自律反発狙いの買いも入りやすかった。中国政府による景気刺激策発動への思惑などでアジアの株式相場が軒並み上昇したことも東京市場で買いの流れを勢いづけた。
 前場に年初来安値を付けたトヨタは後場に上昇へ転じ、6営業日ぶりに反発。新日鉄や住金などの大型株が大幅上昇し、前週まで下落基調の続いた建機大手のコマツや日立建機は値幅制限の上限(ストップ高)まで上昇した。東証1部の売買代金は概算で1兆3778億円(速報ベース)だった。

オバマ氏、ビッグ3破綻「受け入れられず」 経営陣退陣も示唆 2008年12月08日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081208AT2M0800408122008.html
 オバマ次期米大統領は7日、シカゴで記者会見し「雇用が記録的に減っている時に、自動車産業が崩壊するのは受け入れられない」と述べ、ビッグスリー(米自動車大手3社)への政府支援に理解を示した。一方で、3社は「もっとやるべきことがある」と指摘。追加リストラなどをためらうなら経営者の交代も選択肢になるとの考えを示した。
 オバマ氏は政府・議会で浮上している短期的な運転資金のつなぎ融資案について「議会は正しいことを実施しようとしている」と評価した。そのうえで「短期的支援が、労使、株主、債権者などすべての利害関係者がかかわる極めて厳しい(追加リストラなどの)選択につながる」よう求めた。
 ビッグスリーが2日に提出した再建計画について「以前より真剣なものになった」としつつも「10年前、20年前、30年前に実施すべきだったリストラの確約すらためらうなら、我々がお金を投じるのは無意味だ」と強調。短期的支援の実施は、追加リストラ策定が前提条件になるとの考えを示した。

ビッグ3首脳らに退陣圧力 米議会、リストラ不足に批判 2008年12月8日
朝日夕刊 http://www.asahi.com/international/update/1208/TKY200812080037.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081208k0000e020047000c.html
 米自動車大手3社「ビッグ3」の救済をめぐり、最大手ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー最高経営責任者(CEO)らの退陣を求める声が米議会などで強まってきた。オバマ次期大統領も7日の記者会見で言及した。リストラの象徴として、トップ交代に進展する可能性もある。
 上院で救済法案の審議を仕切る民主党のドッド銀行住宅都市委員長は7日の米メディアのインタビュー番組で、経営危機が最も深刻とされるGMのワゴナーCEOの去就を聞かれて、「彼は去るべきだ」と明言した。オバマ氏も同日の記者会見で「事態の緊急性が理解できず、厳しい経営決断をしたくなければ、去るべきだ」と述べ、留任には抜本的なリストラの実施が条件になるとの考えを示した。
 先週の議会公聴会でも最大手GMを筆頭にリストラ不足への批判が集中。今週中の採決をめざす計150億ドル(約1兆4千億円)程度の「緊急つなぎ融資」も大半の100億ドルが、GMの3月末までの事業継続に費やされる計画だ。40億ドルを求めるクライスラーに対しても経営陣の辞任を求める声が根強い。
 本格的な自動車業界の救済は来年1月20日に発足するオバマ次期政権のもとで実施される見通しが強い。オバマ氏もビッグ3経営陣への批判を強めており、7日のインタビュー番組では「戦略的なミスを繰り返してきた」「必要な対策を実施してこなかった」「時代の変化に対応できなかった」などと指摘した。
 さらに、経営陣の巨額報酬についても「(経営状態が)はるかに良好な日本の競争相手と比べてもかけ離れている」と大幅な削減が必要との考えを示した。政府支援の条件としては燃費改善など競争力アップを挙げた。




 8日の日経平均は、ビッグ3救済についての議論が進むことへの期待から、先週末の欧州株式市場が利下げ一服感から急落したのとは対照的に、同NYダウが259ドルの急騰を見せたこともあり、日本市場でも買いが入り、午前は前週末比203円20銭高い8120円71銭で終了。
 午後に入ると、アジア株の急上昇や、GLOBEX(シカゴ先物取引システム)でS&P500種株価指数先物の上昇率が2%を超えて堅調なことから、8日の米株相場が続伸する期待感が強まったこともあり、開始直後に8322円02銭まで上昇。その後若干伸び悩む場面もあったのですが、一時8358円27銭まで上昇し、終値ベースでも前日比411円54銭高い8329円05銭の大幅高(上昇率5.07%)で終了。TOPIXは上昇率3.41%、ジャスダックも上昇率2.64%で終了しました。

 ただ、先週末のダウの上げ幅が3.02%(ナスダックは4.41%、S&P500は3.65%)だけに、先物指数の上昇はかなり織り込んでいると見てよさそうですし、11月20日に7703円をつけてからの日経平均は、8500円まで上げると今度は調整するの繰り返しをしているだけに、これ以上の上昇は、ビッグ3問題に関して具体的な進展がなければ正直厳しいのではないでしょうか…。
 オバマ大統領自らが経営陣に進退を示唆するなど、ビッグ3救済に向けては準備が進み始めているようですが、当面はこの3社の救済問題で他の国の株式相場も大きく振り回されるのではないかという気がしてなりません。

 ちなみに、アジア市場は香港ハンセンと韓国の7%半を筆頭に、台湾が4%半、オーストラリアとインドが3%半の上昇。中国市場も堅調で、マレーシアとインドネシアでは若干下げていますが、全般的に堅調に推移しているようです。