宝飾専門店の三貴、民事再生法申請 2009年1月21日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090121AT2F2100F21012009.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/business/update/0121/TKY200901210164.html
宝飾専門店の三貴(東京・千代田)は21日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。負債総額は約117億円。景気悪化による消費の冷え込みで宝飾販売が落ち込み、資金繰りに行き詰まった。
バブル期に「ジュエリーマキ」などの宝飾専門店を積極的に展開したが、バブル崩壊後に借入金が膨らみ、事業再構築を図っていた。
田崎真珠、4割が希望退職 長崎・奄美で養殖場閉鎖も 2009年1月17日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0117/SEB200901160007.html
経営再建中の田崎真珠(神戸市)が16日、昨年12月から募っていた希望退職に全社員の4割、483人が応じ、応募者全員が2月末までに順次退職すると発表した。長崎県では真珠養殖場5カ所のうち佐世保市の九十九島養殖場を縮小して残し、4カ所を閉鎖する方針を固めた。鹿児島県では奄美大島の養殖場5カ所をすべて閉鎖する。
長崎県の社員70人は一部が希望退職に応じ、残りが配置転換の調整中という。奄美の正社員45人はほとんどが今月末退職する。養殖場がある奄美の瀬戸内町総務課は「人口減や年間約3千万円の漁業権行使料がなくなるのが大きな痛手」と話している。
先月下旬には、熊本県上天草市の天草養殖場を今月末閉鎖することが明らかになっていた。
田崎は消費者の好みの変化に対応できず経営が悪化し、08年10月期連結決算で4期連続の純損失を計上した。独立系ファンドが株主になり、店舗閉鎖などを進め、昨年12月に約450人目標の希望退職募集を発表していた。
田村暢邦広報室長は養殖場閉鎖について「現時点ではコメントできない。3月までに組織改革を発表したい」と話した。
田崎真珠、7つの真珠養殖場を閉鎖へ 2009年01月23日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK022244320090123
田崎真珠は23日、7つの真珠養殖場を閉鎖し、長崎県佐世保市の九十九島養殖場のみ存続させると発表した。
1959年の会社設立以前の1951年に開設した伊の浦養殖場(長崎県西海市)や、奄美養殖場(鹿児島県大島郡)、平戸養殖場(長崎県平戸市)など7つの養殖場のほか、田崎海洋生物研究所や、工芸製品の加工を行っている大村工場(長崎県大村市)も閉鎖する。1月末でこれらを閉鎖する。在庫が積みあがっているほか、昨年秋以降、真珠販売が大きく落ち込んでいることから生産規模を見直すという。
三貴と言えば、バブルの頃には従業員8000人、売上高1700億円(95年には1853億円)を誇り、宝石部門では日本最大手(ピーク時にはデ・ビアス社が扱う世界中のダイアモンドのうち3割を卸していたとか…)で、婦人服や子供服などファッション部門にも広く展開していて、派手にCMを流していたこともあり、30代後半以上の方への知名度は非常に高いのではないかと思われますが、90年代後半より業績が急激に悪化して、かっては業界6位だった婦人服を含めたファッション部門から撤退し、本業の宝飾部門も大幅に縮小した上で営業を続けていたのですが、2002年には負債900億円を抱え、東京地裁より特別清算開始が決定。今度は休眠会社に営業譲渡した上で、事業を存続したものの、業績回復に至らず、とうとう21日に負債総額117億円を抱えて民事再生法を申請したようです。
まあ、バブルが崩壊してからは、国内の宝飾品需要そのものがかなり減退しましたし、かっては庶民相手に大量に販売することで価格を安く提供した戦略も、今のような不況に突入して『不要不急のものはいらない』という風潮が社会全体を覆うような状況では、品物そのものが売れなくなり(売上高は95年時の9分の1の水準まで落ち込んでいます)身動きが取れない状況になるのも無理ないでしょうし、日本のような戦争もインフレもないしかも島国では、お金の代わりに宝飾品を保有する『インフレ対策&国から逃げ出す時に持ち運びやすい』という意味での需要も期待できず、業界全体の経営が苦しくなるのも無理のないこと。一応は民事再生法を申請して、事業の継続を図ろうとしているものの、正直スポンサーが見つかる可能性はかなり低いのではないかと思います。
一方、同じく経営不振に陥っていた田崎真珠は希望退職に全社員の4割にあたる483人が応じて、応募者全員が2月末までに順次退職することが決定。長崎県に5箇所ある真珠養殖場5箇所も1箇所を縮小して残し残りの4箇所は閉鎖、あわせて7つの養殖場を閉鎖するなど、かなり大規模なリストラを行なって会社の存続を図るようです。
ただ、真珠も『不要不急』と言えば、ダイヤモンドと同じカテゴリーに属する商品で、加えて真珠の場合は、一番購入してくれそうな中高年女性層の売り上げが伸び悩んでいるだけでなく、若い女性には真珠そのものの人気が凋落し、それだけに業界トップクラスの生産・販売力を誇り、ほぼ単品経営の田崎真珠の経営は将来的にも厳しいはず。余程『田崎真珠』というブランドそのものを選んでもらえる差別化戦略が成功しない限り、田崎真珠の経営は今後もかなり厳しい綱渡り的なものになりそうな嫌な予感がしてなりません。
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090121AT2F2100F21012009.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/business/update/0121/TKY200901210164.html
宝飾専門店の三貴(東京・千代田)は21日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。負債総額は約117億円。景気悪化による消費の冷え込みで宝飾販売が落ち込み、資金繰りに行き詰まった。
バブル期に「ジュエリーマキ」などの宝飾専門店を積極的に展開したが、バブル崩壊後に借入金が膨らみ、事業再構築を図っていた。
田崎真珠、4割が希望退職 長崎・奄美で養殖場閉鎖も 2009年1月17日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0117/SEB200901160007.html
経営再建中の田崎真珠(神戸市)が16日、昨年12月から募っていた希望退職に全社員の4割、483人が応じ、応募者全員が2月末までに順次退職すると発表した。長崎県では真珠養殖場5カ所のうち佐世保市の九十九島養殖場を縮小して残し、4カ所を閉鎖する方針を固めた。鹿児島県では奄美大島の養殖場5カ所をすべて閉鎖する。
長崎県の社員70人は一部が希望退職に応じ、残りが配置転換の調整中という。奄美の正社員45人はほとんどが今月末退職する。養殖場がある奄美の瀬戸内町総務課は「人口減や年間約3千万円の漁業権行使料がなくなるのが大きな痛手」と話している。
先月下旬には、熊本県上天草市の天草養殖場を今月末閉鎖することが明らかになっていた。
田崎は消費者の好みの変化に対応できず経営が悪化し、08年10月期連結決算で4期連続の純損失を計上した。独立系ファンドが株主になり、店舗閉鎖などを進め、昨年12月に約450人目標の希望退職募集を発表していた。
田村暢邦広報室長は養殖場閉鎖について「現時点ではコメントできない。3月までに組織改革を発表したい」と話した。
田崎真珠、7つの真珠養殖場を閉鎖へ 2009年01月23日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK022244320090123
田崎真珠は23日、7つの真珠養殖場を閉鎖し、長崎県佐世保市の九十九島養殖場のみ存続させると発表した。
1959年の会社設立以前の1951年に開設した伊の浦養殖場(長崎県西海市)や、奄美養殖場(鹿児島県大島郡)、平戸養殖場(長崎県平戸市)など7つの養殖場のほか、田崎海洋生物研究所や、工芸製品の加工を行っている大村工場(長崎県大村市)も閉鎖する。1月末でこれらを閉鎖する。在庫が積みあがっているほか、昨年秋以降、真珠販売が大きく落ち込んでいることから生産規模を見直すという。
三貴と言えば、バブルの頃には従業員8000人、売上高1700億円(95年には1853億円)を誇り、宝石部門では日本最大手(ピーク時にはデ・ビアス社が扱う世界中のダイアモンドのうち3割を卸していたとか…)で、婦人服や子供服などファッション部門にも広く展開していて、派手にCMを流していたこともあり、30代後半以上の方への知名度は非常に高いのではないかと思われますが、90年代後半より業績が急激に悪化して、かっては業界6位だった婦人服を含めたファッション部門から撤退し、本業の宝飾部門も大幅に縮小した上で営業を続けていたのですが、2002年には負債900億円を抱え、東京地裁より特別清算開始が決定。今度は休眠会社に営業譲渡した上で、事業を存続したものの、業績回復に至らず、とうとう21日に負債総額117億円を抱えて民事再生法を申請したようです。
まあ、バブルが崩壊してからは、国内の宝飾品需要そのものがかなり減退しましたし、かっては庶民相手に大量に販売することで価格を安く提供した戦略も、今のような不況に突入して『不要不急のものはいらない』という風潮が社会全体を覆うような状況では、品物そのものが売れなくなり(売上高は95年時の9分の1の水準まで落ち込んでいます)身動きが取れない状況になるのも無理ないでしょうし、日本のような戦争もインフレもないしかも島国では、お金の代わりに宝飾品を保有する『インフレ対策&国から逃げ出す時に持ち運びやすい』という意味での需要も期待できず、業界全体の経営が苦しくなるのも無理のないこと。一応は民事再生法を申請して、事業の継続を図ろうとしているものの、正直スポンサーが見つかる可能性はかなり低いのではないかと思います。
一方、同じく経営不振に陥っていた田崎真珠は希望退職に全社員の4割にあたる483人が応じて、応募者全員が2月末までに順次退職することが決定。長崎県に5箇所ある真珠養殖場5箇所も1箇所を縮小して残し残りの4箇所は閉鎖、あわせて7つの養殖場を閉鎖するなど、かなり大規模なリストラを行なって会社の存続を図るようです。
ただ、真珠も『不要不急』と言えば、ダイヤモンドと同じカテゴリーに属する商品で、加えて真珠の場合は、一番購入してくれそうな中高年女性層の売り上げが伸び悩んでいるだけでなく、若い女性には真珠そのものの人気が凋落し、それだけに業界トップクラスの生産・販売力を誇り、ほぼ単品経営の田崎真珠の経営は将来的にも厳しいはず。余程『田崎真珠』というブランドそのものを選んでもらえる差別化戦略が成功しない限り、田崎真珠の経営は今後もかなり厳しい綱渡り的なものになりそうな嫌な予感がしてなりません。