職人さんと板塀の花

　現場で塗装屋さんが「ご無沙汰しています」
何か話したそうな雰囲気。
「痩せたでしょう、2週間も入院してました」
「心筋梗塞ですか？」
「当りです。手首から管をいれて、心臓の血管を治したんです」
両手首は痛々しく注射針の痕。
「退院してから、現場は1週間目」
それで、久しぶりな気になった様子。
人のよさそうな感じの職人さん、「無理しないでね」
一緒に仕事をしている３人は若い人なので大丈夫でしょう。

板塀には建て主さんの丹精したお花が顔を出しています。
「植木は邪魔になりませんか？」
「少しづつづらして塗ります」
「この木はいい香りなんですね」
病気入院をして、優しい気分になったみたいです。

９年目の大規模なお手入れの現場。

戻ると１7年前に完成したお宅から電話。
「2回目の外壁塗装工事中、屋根も塗ってはどうかと勧められました」
メーカーは塗装が剥げても性能に問題はなし、美観が気になるのなら専用塗料で。
昨日カタログを見ていたばかり。
「主人がどうしても聞いてみろって言います」
忘れずに確かめてくれるのは嬉しいかぎりです。