日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

8月の読書「漂泊の牙」\0

2005-09-03 | 読書
 7・8月共に3冊のノルマは達成できません。
何かと気ぜわしく、落ち着いて読書をする気分ではなく、
わらわらと過してしまいました。

8月31日夜11時半に読み終わった2冊目
熊谷達也作「漂泊の牙」はワクワク、ドキドキ、
読みごたえたっぷり。
昨年、直木賞と山本周五郎賞を同時に受賞して話題になった
「邂逅の森」の一部を文芸春秋で読み、文庫本を買いました。
オオカミ研究者の妻がオオカミらしき動物に食い殺されて、
物語は始まります。

愛想のない魅力的な研究者と、
美人のテレビプロデューサー(ディレクターか?)
事件解決を追う刑事。
この地味な刑事が面白いキャラクター。
お腹のでた冴えない中年が、
負けじ魂だけでヘリコプターから飛び降りたり、
スノーモービルで雪山を駆け抜けたり・・
物語では一番目立たない脇役がどんどんとカッコよくなる。
(そう読むのは私だけかも)

「サンカ」「マタギ」「日本オオカミ」など昔の歴史や
人間関係の社会性もたっぷり。
熊谷達也の得意分野+ミステリー性
乃南アサや雫井脩介、天童荒太など
現代物を読んだ気分と一味違う、ズッシリとした満足感です。

もう1冊は同じ作家の短編集「山背郷」
東北で生きるマタギ・潜水夫・漁師
渾身の力を絞って働く男達の物語。
こちらもお奨め。
しばらくは「熊谷達也」にはまりそうです。
コメント
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