日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

桐野夏生著「緑の毒」

2014-10-11 | 読書
週末に読んだ一冊



桐野夏生著「緑の毒」角川文庫
ー水曜の夜 邪心が 街を犯していくー
(若干違うような気もする)

このブログのジャンルに「おもしろい」と入れるのは違うような気も・・
2011年の単行本にエピローグを書き加えて単行本化した。

開業医が惚れている妻の不倫に行き場を無くして
一人暮らしの女性の家に忍び込みレイプをする。
医師の技術を生かしスタンガンと麻酔薬で昏倒させる。
世の医師の風上にも風下にも置けぬ所行

・・なのに、自分は悪くない、不倫の相手が悪い
不倫を知らせて来た電話の主が悪い
苦労して医学部を卒業した人物とは思えない人間像

毒を持って毒を制する、結末。

桐野夏生作にしては、チト・・
解説は桜木紫乃
解説を読んで納得した。

人は誰しも王道に外れた考えを持つ
考えだけでは王道からズレはしないが
時に実行に移す人物が現れる
その闇を垣間見させるのが小説家

この本は被害者意識で読んではいけない
闇を実行するサイドに立ったへそ曲がりを自分の中から引出す。

このところへそ曲がりは生きにくい
他人の隠したい部分を暴き、意地汚くののしる
そんな側には立ってはいけない。

へそ曲がりは本の中か、自分の中に閉じ込めておかなければいけない
時にこんな本でへそ曲がりを開放させよう!

桜木紫乃さんの解説でますます二人とも目が離せなくなった。

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