一昨日読み終えた一冊
集英社文庫 桐野夏生著「IN」
2009年5月 単行本として出版され、
待ちに待ち、ようやく今月に文庫化された。
禍々しいカバーは鹿目尚志作 オブジェ(BC・光)
作家の鈴木タマキは恋愛における「抹殺」をテーマに
「淫」と言う小説を書こうとしていた・・裏表紙
目次は「淫」から始まり
「隠」「因」「陰」「女因(漢字が見当たらない)」
最後に「IN]」
「隠」「因」の間に「無垢人」が入るこりよう(?)
かつて話題になった「無垢人」の小説の登場人物を検証しながら
鈴木タマキの終らせた恋愛に拘泥し検証する。
タマキの相手は担当編集者
小説家に密着する編集者とはどんな役目の人なのか?
日頃不思議に思っていた。
小説は完全なる個人作業、作家の頭の中の創作を文字化するもの、
との認識だったが、編集者とは
「そうそう」とか「ちょっと違うかも」とか「別の視点は」とか
助言し、マラソンのタイムキーパーか伴走者のようなものなのだろう。
終始挟み込まれる「無垢人」は私小説で
作者の婚外恋愛を赤裸々に書いた事で有名になったが
タマキの婚外恋愛と照らし合わせて物語は進行する。
婚外恋愛(不倫)を題材にするにしても桐野夏生は一筋縄では行かせない
堅く、ギシギシと甘くはない。
社会はあれども、家庭はない。
個人はあれども汎用性はない(当たり前だが)
そんな硬派な小説家と編集者の物語だが
文庫化された解説の伊集院静も硬派で素晴らしい。
読み進みながら「無垢人」が島尾敏雄の「死の棘」をイメージしていたが
やはりそうだった事が明かされる。
(死の棘は未だ読み終えていない)
小説の中で印象に残った言葉「俺、会社に居たない」が
この小説の秀逸部分だった事が書かれている。
同感!!と思いつつうれしくなった。
タマキの恋愛は完全に終る事になり
「無垢人」の後日談はまだまだ続いき小説は終りを迎える。
ミステリアスでありながら、心の奥深く食い込む
すぐに読み返したくなるほど、読み応えのある「IN」でした。
集英社文庫 桐野夏生著「IN」
2009年5月 単行本として出版され、
待ちに待ち、ようやく今月に文庫化された。
禍々しいカバーは鹿目尚志作 オブジェ(BC・光)
作家の鈴木タマキは恋愛における「抹殺」をテーマに
「淫」と言う小説を書こうとしていた・・裏表紙
目次は「淫」から始まり
「隠」「因」「陰」「女因(漢字が見当たらない)」
最後に「IN]」
「隠」「因」の間に「無垢人」が入るこりよう(?)
かつて話題になった「無垢人」の小説の登場人物を検証しながら
鈴木タマキの終らせた恋愛に拘泥し検証する。
タマキの相手は担当編集者
小説家に密着する編集者とはどんな役目の人なのか?
日頃不思議に思っていた。
小説は完全なる個人作業、作家の頭の中の創作を文字化するもの、
との認識だったが、編集者とは
「そうそう」とか「ちょっと違うかも」とか「別の視点は」とか
助言し、マラソンのタイムキーパーか伴走者のようなものなのだろう。
終始挟み込まれる「無垢人」は私小説で
作者の婚外恋愛を赤裸々に書いた事で有名になったが
タマキの婚外恋愛と照らし合わせて物語は進行する。
婚外恋愛(不倫)を題材にするにしても桐野夏生は一筋縄では行かせない
堅く、ギシギシと甘くはない。
社会はあれども、家庭はない。
個人はあれども汎用性はない(当たり前だが)
そんな硬派な小説家と編集者の物語だが
文庫化された解説の伊集院静も硬派で素晴らしい。
読み進みながら「無垢人」が島尾敏雄の「死の棘」をイメージしていたが
やはりそうだった事が明かされる。
(死の棘は未だ読み終えていない)
小説の中で印象に残った言葉「俺、会社に居たない」が
この小説の秀逸部分だった事が書かれている。
同感!!と思いつつうれしくなった。
タマキの恋愛は完全に終る事になり
「無垢人」の後日談はまだまだ続いき小説は終りを迎える。
ミステリアスでありながら、心の奥深く食い込む
すぐに読み返したくなるほど、読み応えのある「IN」でした。
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