いくら保守派を名乗っても、一人一党の身の上なので、何のしがらみもないから、思っていることを書かせてもらっているが、今回の福島第一原発をめぐるトラブルは、危機的状況が発生したときに、民主党政権に統治能力がないことが問題なのである。国家としての自覚があれば、最悪の場合を想定して、国民を避難させることを第一にするはずだ。大丈夫、安全だという人たちもいるが、それは見解の相違で、口角泡を飛ばして議論しても無駄なことだ。国民の生命を守ろうとすれば、最悪の事態を想定して、危険地域への立ち入りを禁止すべきだろう。それはまるっきり戦争と同じであるが、それに備えて法律も整えればいい。今後、原発施設に対してのテロ攻撃も予想されるわけで、今回のようなぶざまなことを繰り返すべきではない。さらに、国家が国家としての役割を果たすためには、国民が国民としての義務を果たすことも大事になってくる。ボランティアの段階ではなく、消防団のような組織された力が求められる。国民である限り、部外者であることは許されないからだ。しかし、それをスムーズに行うためにも、国家非常事態法が必要になってくるのであり、その足を引っ張ることになる民主党政権では駄目なのである。
政府の広報予算から回してもらったのか、それとも東京電力から山ほど広告をもらっていたせいか、ここにきて放射能は安全だというPRをするマスコミが出てきた。ことここにいたっても、そんなことを言うのは、現実から目を背けさせる策略に手を貸すことだ。さらに、今もっとも問われるべきは、民主党政権の隠蔽体質なのである。報道管制をしている理由に細野豪志首相補佐官が挙げているのは、国民がパニックを起こすからだそうだ。そんな安全なものであったならば、国民だって冷静に対応するはずだから、隠すことはなかったのである。昨日のasahi.comによると、福島第一原発事故で、放射能汚染が原発から北西部を中心に広がるというのを、民主党政権は原発2号機が破損した3月15日の時点で予測していたという。飯舘村を始めとする5市町村の住民は、事前に避難することが可能だったのである。ようやく今になって公開されたSPEEDIの試算結果で、それが明らかになった。民主党政権が避難を口にしたのは4月11日であり、それまでは原発から半径20キロ圏内の外であれば、安全だと嘘を吐いていたのだ。放射能汚染による影響に関しては、不明な点があることは確かだ。しかし、だからと言って、福島県民が、人体実験のモルモットにされたのではたまらないし、民主党政権の嘘を擁護するような議論には、断じて与するわけにはいかない。