梅は中国原産で、万葉の頃渡来したという。万葉集には、桜を凌ぎ百十九首も梅が詠まれているという。春とはいえまだまだ寒さも厳しい中、凛と咲く梅は、香りも楽しめる。
又、果実も梅干・梅酒など料理にも活躍する。食用になることが、梅の普及に役立った。
さて、七分咲きの梅の隙間から、ちらりと荒波が見えたという。唯それだけのことなのだが、梅と荒波という相反する二つの存在の「静と動」そして「遠と近」が、この句の旨さであり、「七分」という咲き具合も「垣間見える」と呼応して言い得て妙である。
更に回りの地形や陽射し、風の強さなども感じられる。