一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

151   冴返るもののひとつに夜の鼻    加藤楸邨

2011年02月09日 | 

 加藤楸邨は、水原秋桜子の「馬酔木」に所属し、のち「寒雷」を主宰。

 

「真実感合」を唱え、人の内面心理を詠むことを追求し、中村草田男・石田波郷と共に、「人間探求派」と呼ばれた。

 

さて、終戦前後の住宅事情では隙間風は当然で、家の中の水が凍ったりしたからこそ、こういう句が生まれたのだろう。

 

文明機器の揃った現代は、俳句不毛の時代に入った、と言えるかもしれない。 

 

鼻の句といえば、芥川龍之介の「水洟や鼻の先だけ暮れ残る」を思い出すが、龍之介の句は観念的であるが、楸邨の句の方がリアルである。

コメント
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