一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

159   牛丼を食ひて二月の街に出る    徳子

2011年02月17日 | 

 今に始まったことではないが、狂牛病、鳥インフルエンザなど動物の病気と食料や生命への不安感が世界に蔓延している。最近では、宮崎での29万頭も殺処分された口蹄疫が新しい。

 

牛の飼料に牛骨粉を入れたり、全く動けないゲージに閉じ込めて鶏を飼うなど、自然界と異なる人間の身勝手な飼育法なども病気を誘因しているはずだ。

 

数年前にアメリカの牛肉の輸入が禁止され、チェーン店の牛丼が二月には店頭から消えた。これは、その時の句だ。だから作者は、手軽に作れる牛丼を、家で食べてから街へ出たのである。今年の句会だったら誰も採らなかったかもしれないが、作者が当時の時代をうまく捕らえたことが功績である。

 

「牛丼を食ひに二月の町に出る」では、いかにも通俗的でいけない。この句の作者は、国産和牛の霜降りの牛丼を食べたはずだと、私は根拠なく確信する。

 

 

 

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