一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1125   なけなしの三つ指出して大旦  知美

2014年01月02日 | 新年

 「なけなし」は、ほんの僅かしかないこと。そして、死語に近い「三つ指」とは、玄関や座敷などで、女性が位の高い客人や夫に丁寧に挨拶をすること。「三つ指」には、「親指・薬指・小指」の説と、「親指・人差し指・中指」の説があるらしいが、徳川時代以前の封建時代の話である。

 ある熱海の高級旅館では、女将が「三つ指」をついて客を迎えていたが、最近買収されてしまった。残念だが、また一つ「三つ指旅館」が減ってしまった。

 それにしてもこの句、「なけなしの三つ指」というのが面白い。日本にとっても、作者にとっても実に希少な「三つ指」である。又、元旦こその「三つ指」でもある。

 

 

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