俳句をやっていると、必ず壁にぶち当たることがある。私も何度か経験している。
長い時は1年以上俳句ができなかったこともあった。しかし、今では止めないで本当に良かったと思っている。
では、一体どうしたらこの壁を打破できるのだろうか?
① 俳句をうまく作ろうと、思いがちです。学校の成績が気になったように、私達はついつい人と自分を比較してしまいます。しかし、
私は私なんです。なんら恥じることはありません。
NHKの絵手紙の先生の言葉ですが、「下手が良い」というのがあります。「下手で良い」ではないんです。「下手が良い」んです。
私ぐらいの年になると、「テニスなどで下手を自慢していますが」、そこまでいかなくとも、せめて「恥ずかしい」は止めて、開き直りましょう。
裸の素ッピンピンで、町を歩けと言っているのではありません。その気になれば、誰でもできることです。
この開き直りこそが、実は上達の秘訣なのです。
そして、見えたまま、聞こえたまま、感じたままを、素直に、正直に言えばいいのです。
決して、上手に作ろうとしてはいけません。
コツが分かれば、たまには嘘をついたり、騙したり、冗談を言ったりと遊び心も余裕も生まれてきます。
そこで問題です。
下の写真をようく見て下さい。私の知り合いのブルドッグです。どうぞ、一句作ってみて下さい。
ちなみに、彼の名前は「遊(ゆう)」君です。生まれてまだ3カ月です。
上五に、季語の「寒の入り」にします。あと、7・5を入れて下さい。
私が、やってみますね。
寒の入りあなたはなんて可愛いの
こんな風にあなたも作って下さい。
寒の入り犬と皺を競い合い パピー
寒の入り遊に負けたシワの数
寒の入り私もこんな服欲しい
寒の入り犬寒かろと着膨れる 優
寒の入り犬着膨れてふて腐れ
寒の入りふて腐る犬ポーズ取り
寒の入りポーズ取る犬悦に入り
寒の入り遊と名づけて遊ぶ犬
パピーさん、優さん
さすが、パッと思いつく所がすごいですね。
善し悪しを考えず、感じたことを素直に言う。
そして、沢山作って沢山捨てる。こんな調子で
2,30句作れば、ハッとするような句がいくつかできるものです。
寒の入りもうすぐ春だと九十歳 2gawa
寒の入り閉じ込められて一句かな
寒の入り上戸の人ぞ羨まし
寒の入り以前の誘いに返事する
寒の入り長座しかねる庭のチェア
寒の入り犬飼い主に似ると言ふ パピー
寒の入り幸せ背負って犬来る
寒の入り赤い服着たお犬さま