Last Chance Cafe  master JL6USD

これから起こる出来事の全てが Last Chance だと思って生活している後期高齢者のブログ

喋る スピード

2012-09-04 05:00:00 | ノンジャンル
 最近、年を取ったせいか、テレビに出ている、若い芸人や局アナの早口に付いていけない。 早すぎて、なにを言っているのか分からないのだ。 毎日が 「 空耳アワー 」 だ(笑)。 これが日常生活であれば、聞き返す事もできるが、テレビやラジオではそうも行かない。 困ったものである。

 私は、1969 年から、東京で放送関係の仕事をしていたが、地方出身者であるため言葉の問題 ( ハンデ ) ではかなり苦労した。

 あるスタジオでテレビ CM を作成していた時である。
 フィルムの尺にあわせて音楽を取り終え、ミュージシャンの一人に仮ナレーションを入れて貰い完パケの形としてスポンサーにプレゼンしようとした。

 ナレーションは 「 豊かな気分だなあ 」 と一言である。
 ディレクターから CUE が送られ、彼は 「 豊かな気分だなあ 」 と言いました。

 その瞬間、ディレクターはじめスタッフのほぼ全員が大爆笑となったのだ。
 私は、ミキサーとしてコンソールの中央に座っていたが笑わなかった。
 どこがオカシイのかが分からなかったからです。
 この方は九州出身の方でした、彼もなんで笑われたか理由がわかっていません。

 イントネーションの問題です。
 わたしは、ミキサー ( 技術者 ) からディレクター ( 演出者 ) になりたいと思っていましたが、言葉 ( 方言 ) の問題を解決しなければ、ディレクターにはなれません。
 最終決断で OK を出すのが、ディレクターですから。

 従って、演出系の仕事は無理ですから、言葉ではないサウンド ( 音響 ) のディレクターになろうと方向転換しました。 名詞の肩書きを : 音響デザイナー、あるいは、サウンド・ディレクター、サウンド・クリエーター等と称していました。
 もうひとつの理由として技術者より演出家として申告した方が、必要経費が多く認められているので、税金が安いのです(笑)。
 もう何十年も前の話です。

 このような事で悩んでいると、ある先輩が、私に 「 テレビ・ラジオ新アナウンス読本 」 日本放送協会編 という本をプレゼントしてくれました。 この一冊に NHK の威信を掛けた、アナウンサー育成のためのノウハウが惜しげもなく書かれています。
 アナウンサーやディレクターを目指すものであれば 「 テレビ・ラジオ新アナウンス読本 」 日本放送協会編 はバイブルと言って良いでしょう。 言葉の問題はこれでほぼ解決する書籍です。
 昭和 37年 10月 1日 初版 ・・・ 私が貰ったものは、昭和 42年 3月 1日 11版。
 時代が進むにつれ、重版が重ねられている事でしょうね。

 プロのアナウンサー向けに書いてある本であるが、一般人でも正しい日本語を勉強するには、これを読むと良いでしょう。 目からウロコがいっぱいありますよ。


 一番最初に、早口すぎて意味が聞き取れないと言いました。
 放送と言うものは、どの世代にも均一に情報を届ける責務があります ( 放送法 ) 。
 その事を考えると今の放送界はとんでもない事になっているような気がする。
 特にバラエティー番組は全般的に早口に感じる。
 早口の方が情報量が多いから良い、なんて屁理屈は、時代が変わっても通用しない。

 この 「 テレビ・ラジオ新アナウンス読本 」 日本放送協会編 では、話すスピードには決まりは無いがと言いつつも 106ページにおいて 「 こどもニュース 」 では 1分間に 250字、 「 一般ニュース 」 では 300字を推奨しています。

 この速度であれば、老人も含めて日本人のほぼ全員が理解できる事になります。
 アナウンサーとしてのプライドを持って、正しい日本語適切なスピードで喋っていただきたい。 その他の出演者も含めて、この問題をもう一度考えて欲しい。


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