十数年前、あるセミナーの講師が母校で ” 成功体験を語る ( 90 分 ) ” と言う講演をしました。 私の役目はセミナーのビデオ収録です。 母校の校長室で事前打ち合わせを行いました。 校長先生曰く、「 今時の高校生は集中力が 45 分程度しかもたないので、中盤から居眠りする者が多数出ると思います。 どうかご容赦の程を 」 「 だったら休憩を入れて前半・後半に分けてお話しましょう 」。 150 名の生徒が体育館で体育座りで聞いています。 45 分位はもつと校長先生は言っていたが、何の何の 20 分あたりからゴトン・ゴトンと居眠り組が床に倒れては周りの失笑を買います。
講演自体は、小説かテレビドラマにでも出来る様な面白い内容だと思うのですが ( 「 半沢直樹 」 にはチョット及ばないが )、居眠り組は最初から聞くつもりがなく、堪え性もないので、話が佳境に入る前に自爆してしまします。 講演後、校長先生が平謝りしていましたが、正直、今の高校生にはガッカリしました。 ゆとり教育がもたらす緩みやモラルの低下、緊張感のなさは、昭和生まれの私には理解し難いものでした。 昭和でも眠る奴はいたけどもこれほどでは ・・・ 少なくとも演者には純粋に敬意を持っていたし聞こうと言う姿勢はあったと思う。
講師は高校卒業と同時に大学の研究室の助手として働き始めます。 くすぶっていた時、たまたま新聞で大企業の求人広告を見て応募します。 運良く採用になったものの、そこは超エリートの世界、会議やパーティーに出席する様になると、「 やあ、初めまして、ところでお宅は何期生ですか 」 「 いや~私は京大でして 」 こんな会話が飛び交います。 前提が 東京大学 です。 とてもじゃないけど 「 高卒です 」 なんて言えません。 さすがに 東京大学 とはいかないものの、地方の大学を 30 才で、2 校、夜学と通信教育で卒業します。 その他にも 施工管理技士 など合わせて100 以上の資格を取ったが、何の足しにもなりませんでした。
こうなったら業績で勝負するしかありません。 そこで、固定観念に縛られない奇抜な発想、思考の癖に捕らわれず多様な価値観でトップセールスを何年も続け、遂に本社の課長 ( キャリアでなければ本社の課長どまり、これ以上の出世は無理 ) まで上り詰めます ( 上層部は反対したと言います )。 時の寵児となりますが、キャリア組にしてみれば毛色の違った奴が割り込んでくると面白くありません。 妨害や嫌がらせなどを受ける様になります。 最早これまで、と見切りをつけ独立開業。 業務に特化した独自のデータベースを開発し、自社で使用しながらバージョンアップを繰り返し製品として販売を始めます。 8 人の会社で年間 3 億円を売り上げます。 講演の内容は以上の様なものです。 とにかくエピソードが多くキッチリ落ちもある。 どこで眠たくなるのか分かりません ( 主催者側の贔屓目か )。