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ワーグナー生誕200年=ハンガリー文化会館
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りょう子さん (Ryoko Tajika Drei) から 神学校の副院長のアンヘル神父に音楽会の招待状が届いた
ところが アンヘル神父はその日ベルリンの神学校に集中講義に出かけてローマを留守にする
それで 私が代りに聴きに行くことになった
古い貴族のお屋敷風のハンガリー文化会館は テベレ川にほど近いヴィア・ジュリア1番地にあった
ピアニストのりょう子・タジカ・ドライ さん 名前から 国際結婚をしたローマ在住のご婦人とわかる
一旦弾きはじめる この躰のどこからこの力強さが湧いてくるのか と信じられない思いだった
テノール ソプラノその-1
もしかしたらブログで取り上げるかもしれないと思って その夜のプログラムは取っておいたはずなのに
いざ探したら見つからない 年は取りたくないものですね 名前が分からなくなってしまった
ソプラノ そのー2
ワーグナーのタンホイザーや トリスタンとイゾルデなどの樂曲から
素晴らしいアリアやデュエットが 次々と披露されていく
歌われている歌詞はいずれもドイツ語なのだが コメルツバンク時代に使っていたドイツ語を思い出しながら
それがかなり強いイタリア語訛りであることが分かった
それでも どの一人をとっても 陶酔して聴くに堪える素晴らしい歌唱力だった
みんな花束を抱えての 繰り返されたカーテンコールの華やかな写真もあるが 敢えカットしよう
夜も更けて 満足して帰る時 階段の下の踊り場のローマ時代の彫刻と言い 庭の空気と言い
良質の 文化の香りを満喫した充実感があった
外に出ると ヴィア・ジュリアの切り取られた空に満月が輝いていた
テベレ川の川岸の道に路駐しておいた車に戻った 覗き込むと 古い型の宴会船が灯を消して浮かんでいた
ベートーベンは大好きだが 固さ 重さが時に気になるときがある
モーツアルトは 欠点を見つけるのに苦労する 天上の音楽 (まだ聞いたことがないが) を思わせる
ワーグナーは ちょっと危険な誘惑の臭いがする・・・
などと思いながら 深夜 わざと帰りを急がず 夜のローマの川岸をゆっくりと散歩した
(おわり)