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天 国 の 門
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同じ老神父はまた別の冗談を言いました。
あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。(マタイ16:18-19)
これは、新約聖書に記されたイエスのペトロに対する言葉です。
イエスの弟子たちのかしらであるペトロも逆さ十字架の刑で殉教を遂げ、無事天国にたどり着くと、イエスから天国の門番を仰せつかります。そして、この世の生活を終えて門前に立つ者たちをみて、「よーし、おまえは合格!入ってよーし!」「ダメダメ、入れてやるわけにはいかないね!」とキリストに言われた基準で交通整理をいたします。
天国の門番の仕事にも休憩時間があると見えて、そんな時、彼は天国をぶらぶら散歩します。すると、時々見慣れない顔に出会うではありませんか。
「はてな?こんな奴、天国の門を通してやったわけはないのだが?へんだなあ???」と首をかしげることしきりです。そして、思い余って先生のキリストのところへ行っていいました。
「先生、わたしは忠実にあなたの言うとおり、変な奴は入れないようによく気を付けているつもりななんですが、最近、天国に時々見慣れない顔をしたのがうろうろしているのに気が付きまして・・・・。わたしゃあんなのを入れた覚えが無いんですがねェ?!一体どういうことでしょう?」
「おやそうかい?では、天国の城壁に破れが無いか見回っておいで」
そこで、ペトロはぐるりと一周調べてあるくことにした。そして、彼が番をしている天国の門のちょうど反対のあたりに、壁に寄り沿って一軒の家があり、その裏窓が壁の外に向かって開いていた。近寄ってよく見ると、その開いた窓から太い鎖のロザリオが垂れ下がっていて、ペトロが今朝門前払いをしたばかりの男がそれを伝ってよじ登ろうとしていた。ぺトロは、これは一大事!とばかりに、走ってイエスのところへ戻って来て、
「先生、先生、大変です!反対側の城壁にもたれて立っている家の窓から、外の地面にロザリオが垂れていて、それを伝って入ってはいけない奴らが天国に潜り込んでいますよ。何とかして下さい、ねェ先生!」
すると、イエスはいわれた。「おやそうかい?まあ、あれは母さんが勝手にやっていることだから、そのままにしておきなさい。」
カトリックの信者さんなら、素直に「なるほど」と得心されるだろうか。聖母マリア様によりすがれば、だめな人間も母の愛と憐れみで、何とか救いあげられる、ということのようでした。
(おしまい)
はじめてコメントさせて頂きます。
私のようなダメダメ人間でも
イエス様やマリア様への愛慕と
母マリア様からの憐れみで
天国に行けるチャンスが
あるのだと、とても嬉しくなりました。
出来れば正々堂々と
正面玄関から
入りたいものですが、
大きく狙わずコツコツ、コソコソ(?)と
昇っていくのもいいですね!
この記事にはすごく慰めを頂きました。
また明日も生き抜けそうです。
どうもありがとうございます。
お忙しい毎日、お身体ご自愛下さいね。