キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

日本人は核に「ノー」?

2011年06月12日 | Current news
作家・村上春樹さんのスピーチには賛否両論があるようです。
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日本人は核に「ノー」を~村上春樹さん(NNN)
作家・村上春樹さんが、人文科学の分野で活躍した人に贈られるスペインのカタルーニャ国際賞を受賞した。村上さんは、バルセロナで9日に行われた授賞式のスピーチで、「我々日本人は核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と原子力発電に反対する意見を述べた。村上さん「この福島第一原発事故は、日本人が体験する2度目の大きな核の被害です。しかし、今回は誰かに爆弾を落とされたわけではありません。どうしてこんなことになったのでしょう。答えは簡単です。効率です。我々日本人は、核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった。我々は技術力を結集し、持てる英知を結集し、社会資本をつぎ込み、原子力発電に代わるエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。損なわれた倫理や規範の再生は、我々の全員の仕事になります。皆で力を合わせて、その作業を進めなくてはなりません」村上さんは20分にわたってスピーチし、原子力発電への異議と災害の克服を強調した。また、賞金約920万円は東日本大震災と福島第一原発事故の被災者への義援金として寄付する意向。
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このスピーチをニュースで見ましたが、これは文化人としての原発の捉え方なのかなと思いました。今回のスピーチは「戦争で核の被害を被りながらも、経済社会の効率を追求した結果、原発を受け入れてしまった日本人」の罪について、彼の個人的な考えを述べたものだと思います。確かに言い分はよく判りますし、今後やるべき事は被災者の気持ちを考えると正しい主張のように思います。気になるのは、彼の結論である「効率追求」が良くないという理由の部分です。この言い方では、これまで日本経済を支えてきた先人達から反論があるかもしれません。日本という資源の乏しい国が、世界の国々と上手くやっていくためには、技術を高めて効率的にモノを作って商売するしかなかったわけで、多くの電力を必要とする企業にとっては、リスクがあっても効率が良く安定した発電方法としての原発が必要という考え方でやってきたのだと思います。そのお陰で今日の日本の繁栄に繋がったとも言えるわけで、彼自身もその恩恵を受けており、それを今更否定するのはどうかと思います。今後の代替エネルギーの開発には賛成ですが、それには時間もお金も掛かると思います。今やるべき事は、原発を全否定するのではなく、既存の原発の安全性を高めることと、少ない電力をより効率的に使う意識を持つことではないかと思います。彼の主張にはこの点に少し違和感を感じました。
今回の事故の対応は現在も続いていて、地震の被害者でもあり原発にも勤めている多くの社員が復旧作業にあたっているわけです。スピーチするのであれば、日本の原発開発を批判することよりも、まず福島で復旧作業に携わっている人達にエールを送ることが、文化人として先に言うべき事ではないかと思います。

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アノマロカリスの巨大化石

2011年06月12日 | Science/Technology
カンブリア紀の最大の動物と言われるアノマロカリスの巨大化石が発見されたそうです。
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アノマロカリスの巨大化石を発見(ナショナルジオグラフィック)
先史時代の海生捕食動物、アノマロカリスの長さ1メートルに達する化石が、モロッコ南東部で発見された。これまで発見された中で最大となる今回の化石は、アノマロカリスが従来考えられていたより数千万年も長く、恐竜が登場する以前の海を支配していた可能性を示唆している。現在の甲殻類へとつながる進化過程の初期に出現したアノマロカリス類(anomalocaridid)は、現在のエビやコウイカを思わせる姿をしていた。ただし、この化石動物の場合は、頭部や、円形で硬く、カメラの絞りのように開閉する口から、とげのある肢が生えていた。
過去に発見されたアノマロカリスの化石は、体長が0.6メートルほどだったことを示しており、既にカンブリア紀(5億4200万~5億100万年前)における最大の動物とみなされていた。カンブリア紀は爆発的な進化が起こり、ウミユリや海洋性の環形動物など、無脊椎動物の多様な新種が登場した時代だ。しかし、今回見つかったアノマロカリスの体長は、従来の化石を30センチほど上回り、この体節動物がこれまでの想定より大きな体をしていたことを示している。(中略)今回の化石は、“わずか”4億8800万~4億7200万年前のオルドビス紀のものと判明した。したがって、アノマロカリス類の生息期間は、従来の化石が示唆するより3000万年長かった可能性がある。(後略)
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アノマロカリスは、進化生物学者スティーヴン・ジェイ・グールドの本「ワンダフル・ライフ」で紹介され、人気になったカンブリア紀の代表的な生物です。これまでに出土した化石では、体長が60cmほどの大きさとされていたようですが、今回発見された化石では1mの大きさで、時代が進むと共に巨大化した可能性があるようです。「ワンダフル・ライフ」で紹介された生物は、アノマロカリス以外にも変わったデザインを持つものが多く、出版された当時はテレビでも取り上げられて話題になったことがあります。その後、いくつか関連した本を読みましたが、この時代の生物は専門家の間でも評価が分かれているようで、未だに賛否両論有るようです。(特にリチャード・ドーキンスやサイモン・コンウェイ・モリスはグールドの考え方に反対している。)今回の発見で今後アノマロカリスが生きていた時代が、どのように評価されていくのか成果を待ちたいと思います。

もしかすると化石になったアロマロカリスは、子孫達の論争を楽しんでいるかも。

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