「定年後人生」の達人が教える人生初の自由を手にするための指南書。
著者の本は「定年後のリアル」以降、何冊か読んでいるが、これもその系統の本。内容は、定年後は社会のしばりから解放されて、自由に生きよ。人の意見に左右されない、世間を気にしない、お金や常識に縛られないようにしようといった内容。定年後の自由とは何かを考えさせられた。長年会社で働くと、定年退職しても会社の事が気になったり、面子を気にしたり、何もしないことに罪の意識を感じたりするようだ。自分も会社の老後セミナーを受けたことがあるが、まず退職したら何をするかを考えろと言われた。退職すると時間があり過ぎて退屈する人が多いらしい。何もすることが無くて家にいるだけで、それが家族との関係に影響したりトラブルになったりする。定年後の「居場所」を確保して(何もしないことも含めて)「日課」を設定することが必要なようだ。著者は、物書きという「日課」があり、毎日自転車で外に出てお決まりのコースを走り、喫茶店で文章を書くということを続けている。家に帰ると本を読んだりテレビを見て、情報収集。本のテーマは、定年後の日常を描いているので、話題にも困らない。ある意味、羨ましい定年後だけれど、でも本の出版には締め切りもあるだろうし、何だか仕事の延長のような感じがする。著者も本当に自由を満喫していたら、この本も出版されなかっただろう。自由を手にしたくても、どうしても仕事に縛られる。著者も例外ではないような気がした。