神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

舟山神社(静岡市駿河区向敷地)

2010-12-21 23:35:48 | 神社
舟山神社(ふなやまじんじゃ)。祭神:住吉大神?(瀬織津姫命という説もある。)。
場所:静岡市駿河区向敷地962(「神明宮」の住所)。県道207号線(奈良間手越線、通称:長田街道)から「徳願寺」参道の案内板が出ているところを入り、登り口入口のところで右折(北へ)、そこから約200m。駐車場なし。
式内社「中津神社」は、静岡市葵区一番町に鎮座の「住吉神社」に比定されている(2010年12月10日記事)。しかし、江戸時代中期以降の資料では、安倍川と藁科川が合流する河川敷内の「舟山」山上にあった小社を式内社「中津神社」とする伝承を伝えるものが多い。例えば、富田左近泰好の「駿河国式内社再拝記」(安永2年、1773年)、新庄道雄の「駿河国新風土記」(天保6年、1835年)、安倍正信の「駿河雑志」(天保13年、1842年)など。ただし、これらの文献は書きぶりが似ていて、同じ原資料を参考にしたようにも思われる。
「舟山神社」は、「善然寺」(静岡市葵区新通一丁目)の末寺の弁天祠であったらしいことは前項(2010年12月17日記事)で書いた。その弁天祠の本尊である弁財天像は「善然寺」境内の弁天堂に移されたが、小社はしばらく残っていたようだ。現在でも、「舟山」山上には「元舟山神社境内」の石碑が建てられている(写真1)。
また、「舟山神社」は安倍川(藁科川)右岸の猿郷に氏子がおり、「舟山」が川中の小島となった後でも参拝者があったが、安倍川の増水時には渡ることができなくなるので、明治22年に向敷地の「神明宮」に遷座されることとなったという(写真2~4)。


写真1:「舟山」山上の「元舟山神社境内」の石碑


写真2:向敷地の「神明宮」鳥居


写真3:「神明宮」正面。向かって右が境内社の「舟山神社」


写真4:「舟山神社」
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