神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

当目山 香集寺

2011-02-22 21:13:54 | 寺院
当目山 香集寺(とうもくさん こうしゅうじ)。本尊:虚空蔵菩薩。
場所:焼津市浜当目1727。駐車場なし。
「虚空蔵山(当目山)」(標高126m)の頂上にある。南麓の曹洞宗「恵目山 弘徳院」(けいもくさん こうとくいん)の末寺で、現在は無住。寺伝によれば、弘仁6年(815年)に弘法大師が聖徳太子作の虚空蔵菩薩を安置したのが創始で、この虚空蔵菩薩は伊勢・朝熊の「勝峰山 兜率院 金剛證寺」、京都・嵐山の「智福山 法輪寺」とともに、一木三体の「日本三大虚空蔵菩薩」であるという。したがって、元は真言宗の寺院で、名も「香信楽寺」と称した。しかし、天正9年(1581年)、持舟城の武田軍の兵火にかかって諸舎全焼した(本尊のみは難を逃れた。)。当時は焼津市野秋にあった「弘徳院」の三世全育及びその法嗣玄泉が元和3年(1617年)に曹洞宗寺院として再興し、名も「香集寺」に改めた。
伝説によれば、「虚空蔵山」麓の海を「鐘ヶ淵」といい、ここに「餅米代」という漁場がある。昔、山崩れがあって「香集寺」の鐘が海中に落ちて失われた。そのため、この場所を禁漁とし、もし1年間不漁が続いて本当に困ったときにのみ、大晦日に網を入れる。すると、必ず大漁となって、正月の餅代としたという。上記の武田軍の兵火による焼失の際には鐘が海中に落ちたとされており、あるいは、このとき以来かもしれない。このことも、「虚空蔵山」が漁業と深いつながりがあったことを偲ばせる。


島田信用金庫さんのHPから(虚空蔵尊(焼津市))


写真1:「弘徳院」(式内社「那閉神社」の西隣にある。)。本尊:薬師如来


写真2:「香集寺」山門(仁王門)。焼津市指定文化財だが、崩壊の危機にある。


写真3:「虚空蔵山」山上の「香集寺」本堂


写真4:山上には「船舶無線電信発祥地記念塔」もある。まさに「遠目山」というに相応しい。


写真5:「虚空蔵山」から大崩海岸方面(北東)を眺めると、遥かに富士山が見える。
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