神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

神明社(秋田県仙北市角館町白岩前郷)

2016-10-01 23:37:38 | 神社
神明社(しんめいしゃ)。通称:白岩神明社。
場所:秋田県仙北市角館町白岩前郷1。国道105号線「下菅沢」交差点から秋田県道258号線を東へ約4.3km、または国道46号線「真崎」交差点から秋田県道50号線(大曲田沢湖線)を南に約5km進み、両者の交差点から南に約400m。駐車場スペースあり。
当神社の創建時期は不明だが、当地は、15世紀後半(社伝によれば宝徳年間(1449~1451年))頃から現・秋田県仙北地方を支配した戸沢氏(江戸時代は庄内藩主、明治時代には子爵)の武将・白岩氏の本拠地として栄え、その守護神であったとされる。当神社の祭神は天照皇大神など15柱と多いが、これは明治~大正時代に近隣の12社と境内社3社を合祀したことによる。で、その合祀された神社のうち、角館町白岩字寺後(当神社の東側)にあった「稲荷神社」が大同2年(807年)の建立であり、「日本三代実録」貞観12年に記事にある「出羽国の白磐神と須波神に従五位下を授ける。」の「白磐神」であるという。この説は、「白岩村郷土史」(高木徳治著、1931年刊)によるものであるが、その根拠は特に示されていないようである。
「角館」は武家屋敷の町並みや桜の名所として有名で、「みちのくの小京都」とも呼ばれている。白岩地区は、武家屋敷のある角館町中心部からは離れており、現在は静かな山麓の集落という感じだが、上記の通り、かつては白岩氏の城下町だった。また、約7km東に奥羽山脈真昼山地があり、そのうち、「白岩岳」(標高1177m)あるいは「白岩薬師」(同1159m)の山頂には現在も薬師の石祠があって、古くから病魔退散を願う人々が山に登り参拝したという。こうしたことから、当地でも別当は修験であり、その権威を高めるため上記「日本三代実録」記事を利用した可能性があるだろう。なお、同記事の「白磐神」としては現・山形県寒河江市の「白磐神社」(2016年3月26日記事)が「国史現在社」として比定されるのが通説となっている。


白岩神明社のHP

秋田県神社庁のHPから(神明社)


写真1:「(白岩)神明社」正面。素木(しらき)の神明鳥居が珍しい。なお、「薬師岳」・「白岩薬師」等には、当神社のところから東に進み、「入角沢林道」から登山口に至る。


写真2:同上、社殿


写真3:同上


写真4:曹洞宗「龍澤山 雲厳寺」。当神社の北、約150mのところにある。白岩氏により宝徳2年(1450年)に創建された。


写真5:同上、山門(秋田県有形文化財)。仁王像は「ドンパン節」作者の円満造の作という。
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