眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

キャプテン・ハンモック

2009-09-03 20:40:13 | 狂った記述他
今日も一日中釣りをしていたが、何か引っかかるものがあり、そのせいもあってなかなか釣ることができないのだった。
海に出てから何日もが過ぎ、一日過ぎ行く毎に、陸上のすべてが遠のいてゆくようだった。
馬たちはまだ草原を駆けているのだろうか、ここでは緑色をしたものは、潮風を照らす太陽のためらいだけなのだ。
ためらうものは、すべてが滅びていくというのに、お腹がすいてしまい、海賊船が近づいてきたのだ。
いつの間にか、キャプテン・ハンモックがすぐ隣にいたのだった。


「ローテンションの一角を担ってほしいのだが」

「だけど、船長。私は野球などしたことがない」

「ここまで来たが、無駄足を踏んだようだな」
船長は地団駄を踏み、その音にシュモクザメが集まってきた。
海賊船から投げ込まれたトンカチを受け取って、私たちは次々とやってくるシュモクザメを叩くと、それらは小気味良い音を立てて、海面には鮮やかなオレンジの文字でヒット!が踊っているのだった。
もっともっとと海賊船の上から、海賊たちが旗を振りながら応援歌を歌っている。遠い海の懐かしいメロディー。きっと、その懐かしさに負けてシュモクザメたちは帰っていった。

「彼らはどこへ帰っていったのだろう?」
トンカチを、海に放り投げて、私は問うたが、船長は答えなかった。手にはまだトンカチを握り締めている。


「ありがとう! キャプテン・ハンモック」

またどこかで会うことがあるだろう。きっと、この広い海のどこかで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする