自分の部屋という名の無人島で、私は息を潜めていた。
無人島なので誰もいなかった。誰も訪れなかった。誰からの連絡もなかった。
人の声は聴こえなかった。気配はまるで感じられなかった。
蝉が鳴いていた。鳩が騒いでいた。私が消えていた。
*
私は、大きな夏の海に行った気になって日記を書いたけれど、全部消してしまったのだ。
また。 「またつまらないものを消してしまった」
無人島に、私の言葉だけが響く。
無人島なので誰もいなかった。誰も訪れなかった。誰からの連絡もなかった。
人の声は聴こえなかった。気配はまるで感じられなかった。
蝉が鳴いていた。鳩が騒いでいた。私が消えていた。
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私は、大きな夏の海に行った気になって日記を書いたけれど、全部消してしまったのだ。
また。 「またつまらないものを消してしまった」
無人島に、私の言葉だけが響く。