眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

定額プラン

2012-02-09 23:45:23 | ショートピース
米一粒100円といっても誰がそれを数えるのか不明だったけど、まずは腹ごしらえが先決「なんて大きなお寿司でしょう!」一口で飲み込むことに苦労するほど大きなそれを流れに任せて口の中に放り込むと3貫でお腹いっぱい。「でも安心だね!」私たちはコメット放題に入っていたのだ。#twnovel


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廃車置場

2012-02-09 01:21:02 | 夢追い
 数多くの出展品やお店の間を僕たちは玩具の車で縫って進んだ。煌びやかなお菓子の袋が所狭しと並んでいる。「あのポテトチップはいくら?」98円。「悪くないね」あの狭い棚の小さなチョコレートは、20円。速度は出なかったけれど僕たちの車は小回りが利いた。「車は楽でいいね」銀色の光に手が伸びてポテトチップを1つ買う。不良グループの車が突っ込んできて、洋服棚が横倒しになった。散らばった服に人々が手を伸ばす。まるでバーゲン会場のよう。
 金魚の数が足りなくなるにつれて何か恐ろしいものが入り交じるようになった。向こうからゆっくりと近づいてくるのはイカとミミズが合わさったような化け物だった。「あれは駄目だよ」けれども、女の子は面白がって化け物の方に手を伸ばす。見慣れない生き物に好奇心を抑えられないのだった。「危ない!」腕を掴んで引っ込めた。もう少しで指に食いつかれるところだった。「あっちのならいいよ」残った金魚の方を指すと赤い尾びれはものすごい速さで逃げていった。また近づいてくるのは化け物の方で、真っ直ぐ彼女の元へ向かってくる。「駄目だよ」同時に2つの生き物に対して忠告するが、それはどちらに対しても伝わっていない。手を叩いて化け物を誘うが、無駄だった。代わりに1匹の金魚がターンして行き先を変更した。仕方なく、彼女と化け物の間に自分の手を差し入れた。予想通り、イカミミズは僕の人差し指に噛み付いた。「ほらね」こうなるからね。振り落とされた化け物は、ひとまずの成果に満足して勢いよく引き返してった。赤く染まった爪先を見せると、彼女はけらけらと人形のように笑った。

 あれよあれよと撃ち抜き大会を勝ち進んだけど、結局あと少しのところで負けてしまった。余韻に浸ったり、書類を記入したり、色々とあってすぐに解散というわけにはいかなかった。1番うれしいはずの優勝者は机に向かってひたすらペンを動かしている。少しもうれしそうではなかった。賞金の振込先などに間違いがないように、慎重に確認しながら記入しているのだろう。湧き上がってくる喜びを、今はまだそっと抑え込みながら。「それではこれで」徐々に帰路に着く人も現れ始めた。「きみも?」いいえ。「僕はまだもう少しいるつもりです」と言ったものの、悔しさを醒ますためひと駅分ほど歩いてみることにした。それでもまだ足りず、気がつくとふた駅分も歩いていて、よく周りを観察していなかったので迷子になった。駅を探して、このまま本当に帰ってしまってもいいけれど、過去の言葉に義理を立ててやはり一度会場に戻りたいと思った。アーケード街を抜けると大通りに出て、橋があったので渡ってみると橋の表面が浮き上がっており遠くの方を見通すことができたが、車も人も渡っているものはなく、まだそこは工事中の橋のようだった。反対側に下りてみると急に道は狭くなって人が3人通るのがやっとだったが、しばらく歩いていると向こう側からどういうわけか1台の車が入ってきたのだった。身をかわすと横に止めてあった車に肩がぶつかりその拍子に車が少しだけ滑った。地盤の悪い場所に何台もの車が止めてある。間違って侵入してきたことに気づいたのか、今度は車はバックで僕の方に向かってくるが、その途中で次々と他の車と接触してしまう。「ナンバーは?」運転手が僕にぶつかった車のナンバーを訊くので僕はそれを教えてあげた。下手なのか、慌てているのか、車は接触を繰り返しながらそれでも止まることなく後退を続ける。「ナンバーは?」やがて回答が質問に追いつかなくなると運転手は僕にハンドルを預けて逃げて行った。そのまま車で会場に戻ることも考えられたが、やはり見知らぬ道なので恐ろしく、適当なところに車を捨てることにした。僕はガソリンスタンドにタクシーを乗り入れるとキーをつけたままそこを離れた。
 人の影を追って駅を探して歩いていると祭りの中にいた。金魚すくいと書かれた中にふと入ってみたが、そこに金魚の姿はなかった。人々は手に鋭いナイフのようなものを持ち、それを待ち構えている。


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