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眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

未来アンテナ

2018-03-02 12:25:14 | 短歌/折句/あいうえお作文

猫はこれから起こることを計算よりも素早く感じ取ることができた。多くのラリーを目にしたことで勝負の行方を知る術も身につけていた。右か左かそれが問題だ。蹴った後から動いても遅い。キッカーは短く助走を取った。猫はすべてを読み取って、キッカーの背後よりキーパーに目で合図した。キーパーはキッカーだけを見ていた。そして、誤った方向に飛んだ。ボールは逆を突いたが上に飛んで強くバーを叩いた。ポエムが鳴ったと猫は感じた。


遠藤が
どちらに蹴るか
知るために
くるくるとする
佐藤名人

折句 短歌「江戸仕草」
コメント (2)
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砂の星(アクロスティック)

2018-03-02 11:58:37 | 短歌/折句/あいうえお作文
ちょっとだけ
恋をしていた
春風が
つかわせた
特別な砂場で

折句「チョコバット」短歌
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火星シェフ

2018-03-02 00:50:10 | 短歌/折句/あいうえお作文

シェフのいる場所が好きだった。「何を食べても美味しい」と君は思った。注文した料理も注文していない料理もすべて、いかなる時も美味しかった。シェフは一人だった。聞くのも考えるも作るのも運んでくるのもみんな一人でこなしていた。シェフが料理を運んでくる時、しあわせが運ばれてくるように君は思った。

周りに誰もいなくなった時、シェフは君の隣に腰掛けて休んだ。少しだけ水を飲んで日頃の感謝の気持ちを語った。それから、しばらく遠くへ行くことを告げた。
「火星シェフに決まったのです」
間もなくシェフはロケットに乗って火星に飛び立った。味覚センサーで蓄えた過去のデータからシェフの料理が完全に再現されることに疑いはなかった。

シェフのいないいつもの場所。シェフの代わりがレシピを忠実に再現した。シェフの代わりが君のもとへ料理を運んできた。
「全く同じ味だ」
すべて計算通りの結果だった。それ以来、君はいつもの場所に通うことをやめた。急に新しい味を探求したい気持ちになった。シェフの味が恋しくなるまで。君は街を離れることに決めた。


永遠の
踊りがあった
真夜中に
一石投じ
アジ開くシェフ

折句 短歌「エオマイア」
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