水曜の女が今日は見えなかった。いつも水曜と重なっていた。水曜と女はつながっており、密接に結びついた紐が切れることは考えられなかった。今日が水曜でないのかもしれないと君は思う。自分の記憶よりも女の方をより信じた。晴れているのにどこにも月が見えない夜には、君は地球の存在を疑うのだ。スターのついたキャップをした若者が弦を弾いてささやくように歌っていた。
階段を上ると遅延の知らせが光っていた。「お客様と列車が接触しました」と猫の駅長が空から語りかけた。30分遅れて電車はやってきた。水曜でもない列車に乗って、君はどこか知らない街へと運ばれていく。
夢追いが
傷を晒して
弾くせつな
夜汽車は過ぎて
歌を呑み込む
折句「ユキヒョウ」短歌
階段を上ると遅延の知らせが光っていた。「お客様と列車が接触しました」と猫の駅長が空から語りかけた。30分遅れて電車はやってきた。水曜でもない列車に乗って、君はどこか知らない街へと運ばれていく。
夢追いが
傷を晒して
弾くせつな
夜汽車は過ぎて
歌を呑み込む
折句「ユキヒョウ」短歌