眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

【短歌】ばあちゃんの梅、純粋ロジック

2020-04-07 04:32:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
早々に輝き出さぬ石ころを磨く熱意を宝石と呼べ

存在を認めてほしいあなたにも振り返るまで「おーい!ばあちゃん!」

つぶれても味は変わらぬひーひーひーひーひーひーひーばあちゃんの梅

さよならは青空のした屋根のうえ弾けて消えたシャボンの香り

易々とさばけはしないあやまちを魚屋さんと協議するたい

簡単に終わりはしない連ドラを見届けるのは次世代の人

難解なパズルの中に埋もれれば人生は純粋なロジック



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寿司道

2020-04-07 04:14:00 | ナノノベル
すぐに消えてすぐに現れる
儚い形が好きだった
消えたと思えば現れる
逞しい形が愛おしかった
チョコレート おかき
葡萄 キャンディー
猫 愛情 お話


「いらっしゃい」
古びた暖簾の寿司屋に
飛び込むのが好きだった

「へいお待ち! イカです」
はじめに頼んだのはイカ
シャリの上に伸びたイカ

「伸びがいいでしょう」
大将自慢のイカは皿から伸びて
店の外にまではみ出している
それは私の好みとは少し違う

「端から行っちゃってください」
シャリを置いて伸びすぎたイカは
隣の町へと通じているという
手をつけずに見下ろしていると
店外から雀がイカの上を渡ってきた

「へいらっしゃい!」
来るものは拒まず
ウェルカムな店らしかった

「これはいただけません」
この寿司はもう道じゃないですか!

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横断歩道のメロディー

2020-04-07 00:21:00 | 忘れものがかり
不思議な横断歩道がやってきて
不思議なメロディーを奏でる

誰も渡らない

どこかで聞いたことが……
あるようないような
メロディーがみんなを
苦しめて
楽しませて
もやもやとさせて

ゆっくりゆっくり小さくなって

横断歩道は次の町へ飛び立っていく

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